第5話おまもり
自分の部屋に入り、引き出しの1番上を開ける。
「んー…あったぁ!」
おばあちゃんからもらったいくつものリボン。
「赤にしよっと」
100円玉の穴に通して結ぶ。
「おー、なんかこうしてみると、ほんとうにご利益ありそーな気がしてきたよぉ」
リボン結びをし、財布に入れようとバッグを開けた。その時ー。
猛烈な眠気に襲われ、わたしの意識は途絶えた。
*
「…ん…」
目が覚めた。
何か悪い夢でも見ていたような…
寝返りを打って、髪をかきあげる。
「はぁ…ん?」
自分の指を見る。髪が絡まっている。やけに長い髪の毛だ。
「えっと…誰の?」
「おはよう、えみる」
「きゃあ!!!!!!!!!」
誰かいる?!
「…え?」
「どうしたの、そんなに慌てて…」
「と、東堂…?」
「えっ、懐かしいねその呼び方…」
「と…」
息が苦しい。
目の前にいる人は、東堂によく似ている。でも、東堂じゃない…
この人は誰?
「ふ、老けた?」
「…傷つくなぁ」
ふっと俯いて笑う。東堂だ。このいんきくささ…
「て、いうかなんで上裸?!」
「えっ…それは、きのう…」
「きのう…?」
東堂の顔が赤くなる。
「え?まさか…いや、ないでしょ。なに赤くなって…」
「もしかして、覚えてない?昨日激しくしすぎて気絶しちゃったもんね…ごめんね。体…
大丈夫?」
「待って待ってなんのはなし?!激しく?!気絶?!」
「すごい連続だったし…足もずっと震えてた」
「ま、さか…」
思わず自分の布団をめくる。
下着だけだ。
「嘘でしょーーーーーー?!!!!!?」
15歳のはずのわたしは、老けた東堂と寝てしまったらしい…
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