第4話ほうかご

「それで、本当によかったの?」

「うん。まぁ、もう後にはひけないよねー」

かよちゃんと帰り道を歩く。


「嫌なら、今のうちだと思うよ…」

「別に嫌じゃない!先輩もカッコいいし…」

「え?」

「ああ、先輩方もいい人そうだし!」

「そっかぁ。嬉しい」

かよちゃんが明るい声を出した。

「ほんとうはね、1人で先輩の中にいくのはつらかったんだ。」

「かよちゃん…そうだよね。」

「だから、すごく…嬉しい」

「そんなー!ありがとう、なんかわたしまで嬉しいよ」

「一緒に頑張ろうね!」

「うん!」

私たちは、指切りをした。


「あ!そういえば…みてみてかよちゃん」

「ん?」

「これ!変じゃない?」

ポケットにしまっておいた100円玉を取り出した。

「なにこれぇ…」

「ひろっ…家の中で見つけた!」

「なんで穴が空いてるの?」

「しらなーい」

「なんか、不思議。ご利益ありそう」

「ごりやく?!」

「お守りにしてみるとか…」

「えー、ご利益あるかなぁ!」

「ある気がするなぁ…なんとなく、だけど」

「そう言われると、そんな気がしてくるよ!」


家の前に着いた。

「じゃあ、かよちゃんまた明日ね!」

「うん、また明日ね」


家の中に入り、急いで靴を脱いだ。

「ただいまー!」

15歳の明日なんて来ないともしらずにー。



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