ウドの戦術

ウドは言った


「少し聞いてくれ」

「私達は500人の軍勢だ、相手はおそらく2000~3000人程だろう」

「大丈夫だ問題ない、私達には昔から扱ってきた馬がある」

「戦いに勝つには、皆が一つになって動くことが大事だ」

「今から話す戦い方を聞いてほしい」




ウドと500の騎馬兵はカラの砦をでていった


ウドが率いる北の騎兵とモサカが率いる南の部隊は

カラの南の平原でお互いを確認した


ウドは単騎で駆けた

南の部隊に近づくと大声ではなす

「私は北のウドだ」

「北の大地の力が弱くなっている」

「力を戻すために水がほしい」

「一時でいい、家族と羊を飢えさせたくない」



南の部隊の一人がウドに弓を射た

矢はウドをかすめていった



ウドは大きな声で「わかった」と言った



ウドは南の部隊に背を向け北の騎兵の中に戻っていった


そして北の騎兵が南の部隊に駆けだした



北の騎兵は大きく左右に広がり、南の部隊に近づくと馬上より一斉に矢を射かけた

矢は鋭く、南の部隊の鎖の鎧を貫いた


それでも、盾を前にし南の部隊は北の騎馬兵に向かって駆けたが、

こんどは、騎馬は反転して帰っていく


かと思えば、また南の部隊に近づき再び矢を射かけた

これを幾度か繰り返した


南の部隊は槍を投げては届かず、矢を射ては逃げられ

分が悪いと後退を始めたところ



足の速い騎兵に回り込まれて、また矢を射られた

今度は、前と後ろから矢が飛んできて

倒れるものが増えていった



すると、南の部隊の中に恐怖感が生まれた

一方的に仲間が倒れていいく・・

逃げ道がない・・


南の部隊は体をなさず

ちりじりに散っていった




南の部隊が武器を捨てて逃げていく様子をみて

ウドは騎兵をまとめた

そして、カラの砦へもどっていった



倒れた南の兵士には、鋼鉄の矢じりがつき刺さっていた

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