考えても いいよ



やめる気なんて1mmもない この僕に

「煙草をやめろ」 と君は言う


煙草の害の話は聞き飽きたから もう言わなくてよろしい

そんな話 小学生の頃から知っている


それよりも

僕が煙草をやめたら どうなる?


煙とともに 極僅かながらも吐き出されていた悪意は

僕の中に溜まる一方に なり

僕の中にある 強大な悪意を押さえ込む別玉の悪意を

取り込むことも できず


君に会えない時間も埋めることも できず

君を想う雲のようなふき出しを作ることも できないんだよ


君は この先 僕に

キャベツ とか 

ニンジン とか 

グレープフルーツ とか

血液サラサラ とか

80歳になっても 歯は20本 とか

そんなことだけ考えていろ って言うのかい?

ばかばかしい ったらありゃしない



でも

君が


「キスすると 嫌なんだ」


って言うなら

少し考えてもいいよ





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