14 寂しい?同志

 この海辺のマンションは都心から近いのでセカンドルームとして持ってる人が多い。

 何年か前までは釣りやサーフィン、マリンスポーツで賑わっていたが、最近、部屋のオーナーが高齢になってきて、都心に家を置いたままこちらに暮らしてる人が多くなってきた。

 

 管理人さんのカウンターの前を通ったら、自分はお料理しないから持って行かない?って鰯を渡された。釣りのおすそ分けらしい…。

私は食べれないので「じゃあ、南蛮漬けにして明日持ってくる…」って約束した。

 でも約束しながら“あ々…私余計な事言ってる…”って後悔した。

実はちょっとめんどくさい…のに成り行きで約束しちゃった…。

でも…翌日、持って行ったら凄い喜んでくれた。

 後日、お皿を返しに来て

「すごく美味しかった!××さんとお酒のつまみで分け合って食べちゃった、久しぶりに酒が美味しかった…手料理久しぶりだって××さんも言ってた…旨い、旨いって食べてた」

そりゃあ、拙いと言う人はいないと思うから、 お世辞かも知れないけど…ちょっと嬉しい…作る人も食べる人も独り者同志。

 何か…温めあった感じ。

 人の為に何かしたの久しぶりだったけど…ちょっと良かったかな…。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る