第9話 私は地球人ではありません!!
「カノリン悔しいよね!あのストーカ危険女許せない!こうなったら悠太を意地でも奪って幸せになってやるんだから。」
ダブルデートの後、夏美と佳乃子ことカノリンは居酒屋で荒れに荒れていた。
「雪子さんはアイドルとしても女性としても私の事を上から目線で話してくるのが腹ただしいです。」
佳乃子も同意する。
「夏美さんにはそれに幸せになってもらいたい、そのために私の夏美さんへの想いは犠牲になっても構いません。悠太さんを奪いましょう!」
佳乃子も自分のサインを悠太に要らないと言わせたことで雪子への苛立ちをつのらせていた。
「でも、どうやって。ビッチよりさらに上をいく、ストーカ危険女に勝てる女なんて、いや人間なんて存在するわけがない……。JSとビッチの戦闘力を掛け合わせたJSビッチですら勝てなかったのに。」
夏美が絶望の淵に沈んでいると。
佳乃子がブツブツ言いながら悩む。
「人間では無理、人間じゃない存在でないと無理。つまり……。そうだ!!」
佳乃子は突然手を叩いて、夏美に思いついた考えを伝える。
「大丈夫です。夏美さん。一つ私に考えがあります!!私SFが好きなんです。その中に宇宙人と地球人の男女の恋愛コメディがあるんです。これをヒントにしましょう!」
それは最初は馬鹿げた考えに思えた。
「その中で女の子の宇宙人は圧倒的な戦闘力で彼を魅了するんです。それは、宇宙人は永遠に若い姿でいられる。と言う点なんです。それに宇宙人と地球人は子供ができないんです。つまり、その。」
夏美はそこであることに気づく。
「避妊が要らないと言うことね!!すごいわ。なんで思いつかなかったんだろ!」
そう、私デキチャッタの作戦変形バージョン。私宇宙人だと思ってたけど、やっぱり地球人だったみたい作戦。
「うん、単に、面倒くさいことしないでいいよ?だとただのビッチだからストーカ危険女には勝てないけど。これならいけそう。だって。」
夏美と佳乃子は声を揃えていう。
「悠太って結構バカだし……。」
何より面白いから、頭がいい彼にも、なんちゃって冗談だよ?ってもしもの時は逃げられる。完璧な作戦。
「ねぇ、カノリン私これから悠太にメールしてみるね!ありがとう!!」
「どういたしまして。」
1時間後、悠太は、まさかの地球外知的生命体からの交信に驚愕しているのだった。
親愛なる地球人
悠太様へ
今まで騙していてごめんなさい。私はエトリシア。銀河市民番号968番。帝国貴族の宇宙人でした。我々は地球人に姿を似せて、地球を観光しています。このようなメールを読んでさぞかし困惑しているでしょう。そう、あなたにとっての私の名前は夏美です。雪子の双子というのは嘘です。実は雪子さんの姿をコピーし、その後雪子さんの記憶を都合の良いように書き換えました。
本来銀河帝国政府は、地球人との恋愛を許可していません。しかし、私はあなたを好きになってしまった。これが許されぬ恋というのは理解しています。私は地球を去らないといけない。しかし、せめて最後の思い出にあなたと素敵な一夜を過ごしたく思います。宇宙人の私と地球人のあなたの間に子供ができることはないでしょう。それでも私はあなたへの愛を永遠に記録するため、あなたと契りを結びたい。たとえ、あなたが私が去った後、それを忘れるとしても……。
良い返事をお待ちしております。
銀河帝国貴族
市民番号968番
麗しのエトリシアより
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