第4話 私はロリコンではありません!!

 3回目のデートの日も4回目のデートの日もユウタは私に会いにきてくれなかった。夏美は日記を書く。


「失敗だった。ビッチは飽きられやすいかー。」


まさか悠太が雪子に拉致られ貞操の危機に晒されていることなど夏美は認識すらしてない。悠太は連日雪子にドライブに連行されて夏美の約束どころではなかったのだ。


「そうだ私はあまりの精神的ショックに12歳の私に戻っちゃった。そう言う設定で手紙を書こう。うん、これならイケル。今までのことは忘れちゃったって。」


 拝啓 悠太さま


夏美の母のサツキです。娘たちがお世話になっております。悠太さまが雪子のファンでずっといたことは知っております。私にとって2人とも大事な娘です。


今、法案が纏められようとしている重婚法が成立するまで、できればプロポーズの時を遅らしていただけることはできないでしょうか?


無理なことを言っているのは承知しております。しかし、あれから夏美は塞ぎ込み悠太様との記憶を一切失ってしまいました。


夏美はまるで12歳の頃のように無邪気で、だからこそ親として見ていて不憫でなりません。どうか最後に一度だけでも夏美と会っていただけませんか?


夏美は楽しい放課後クラブという場所で、学校に通うことが精神的に辛くなってしまった子達と一緒に遊んでいます。大学はこのままだと退学になりそうです。


どうかよろしくお願いいたします。


サツキ


「うーん、我ながらホロっとくる名文ね。ビッチ作戦が失敗ならイノセント作戦よ」


悠太さん来てくれるかな。違う、名前も知らないお兄ちゃん、ってこれからは呼ばないと。で12歳の少女として彼に恋い焦がれたい。


そうだ昔幼稚園のお兄ちゃんを野球拳で脱がしちゃったこととかお医者さんごっこで診察してあげたこと、あったなぁ。と思い出にふける夏美であった。



場所は代わり、悠太はなんとか雪子から解放され、まさに手紙を読んでいる最中だった。


「正直あそこまでされると、怖くもあるけど……。雪子さん。そんなに僕のこと好きなのかなぁ。」

悠太は情けないことにアデルディア3世の策によりなし崩し的に雪子との結婚を考えていたのだが、手紙を読んで、

「これは一度夏美さんに会いに行かないと。そっか。僕夏美さんとの約束すっぽかしたことになっているんだな。」


それにしても重婚法とは、悠太は雪子と夏美2人ともと結婚した時のことを考えていた。一体全体日本は少子化でどこまで追い詰められてしまったのだろう。

ともあれ、世知辛い。いや最高の世の中だぜ。


よし、明日はその放課後クラブに行ってくるか。ユウタは夏美に心からすまないと思うのであった。







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