第5話 男二人
今日はヅカ先輩と副部長、それに日ペンとで雪見旅行のための切符を買いに行っている。最初は部長であるヅカ先輩が一人で行くと言ったのだが、もちろん(?)俺がお供をしたがったし、ヅカ先輩のおっちょこちょいなところを心配して副部長や日ペンもついて行きたがった事から、何故か女子部員三人で出かける事になった。
俺一人でもヅカ先輩をフォロー出来るのに、と拗ねていたら
「お土産買ってくるさ」
なんて、ほわわんとした感じでヅカ先輩に言われたら素直に「はい」と返事をしてしまっていた。
というわけで、部室には俺とラボ先輩の二人きりだ。
いい香りがしてくる。ラボ先輩がコーヒーを入れてくれているようだ。
「ショタは、この部にとって大切なものは何か、それをどう考とる?」
ラボ先輩が尋ねた。ラボ先輩はこの部の俺以外のもう一人の男子だ。普段は女性陣の影に隠れてたまにしか発言しないが、こうやってたまに発言するとその言葉には重みがある。
「この部にとって大切なもの……魔法を実現させるための『想い』でしょうか?」
「まぁ、想いも大切やな。けれど、それはあくまでも魔法を実現させるためのもんやんか。この部がオカルト研究会を盾としながら何十年も、あんばようやってこれたのは『魔法』自体が大切やからや無く、この部に集った『仲間』が大切やったからや」
「仲間……」
「僕もね、よくかまってくれたOBの先輩から教えてもらったことやけどな」
そう言うと淹れたてのコーヒーを俺と自分の前にラボ先輩は置いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます