第二章

第二章

そのあとのことは、もう蘭からしてみたら、怒りの葡萄になっていたかもしれない。本当なら、杉ちゃんに怒鳴り付けて無理矢理帰らせたかった。でも、恵子さんがお茶を持ってきてくれたので、さすがに女性には怒鳴りたくないよな、なんていう欧米的な思想が頭に湧いてしまった。杉ちゃんときたら、それに便乗して、恵子さんと一緒にベートーベンのソナタの話をしはじめて、水穂に、弾いてみたいソナタは?なんて質問をする。水穂もそれに答えて、何番が比較的有名で、何番が荒々しいとか、そういう話をしてしまう。恵子さんが、それについて素人的な寸評をしてさらに話が盛り上がり、こうなれば、クラシック音楽に無関心だった蘭には、もうわけのわからない話でついていけない。水穂も杉ちゃんも、恵子さんも、ベートーベンのソナタ何番はなんていうピアニストが弾いたのが一番うまかったとか話始め、何とかという人が、都内で弾いた演奏は、本当にすごかったなどの思い出話で盛り上がる。もう杉ちゃん、ストップしてやってよ。あんまり話し続けると、水穂も疲れるよ。でも、本人にしてみれば、お前はうるさいな、になるのかな。蘭はしきりに迷う。

そのうち、杉三が、ほしいソナタのタイトルを聞き始めた。それに恵子さんが自分の聞きたい曲を勝手に挙げているが、まあ有名なものは荒っぽいものが多く、体力的に難しいことから、とりあえずテンペストでもやってみるか、ということで合意した。それだけでも結構激しいソナタなんだけどな、と思われるが、ベートーベンのソナタというと比較的穏やかな曲を探すのが大変だよ、なんて笑っていた。杉三が、曲の名前を忘れたら困るので、というと、恵子さんに紙と鉛筆を持ってきてもらって、水穂はそのタイトルと出版社を流麗に書いた。そして、布団に座ったまま、また杉三たちと、テンペストの逸話を語りだすのである。

それにしても、確かに音楽家として生きてきた以上、音楽の話を語るのは、きっと楽しいだろうと思われるが、蘭は体のことが心配でしょうがない。蘭は、もうよせよと突っ込みを入れたいが、杉三と恵子さんがそれを許さなかった。

二人が、もうよそうかとやっと言ってくれたのは、水穂がちょっと失礼と言って、二、三度せき込んだことによる。蘭からしてみれば、やっと杉ちゃんたちが、気が付いてくれたかなとほっとする。もう横になるか、と恵子さんに言われて、これでやっとやめてくれるのかと安心した。その通り、水穂も布団に横になった。

「よし、帰るか。じゃあ、明日必ず楽譜屋さんに行ってくるから。もし、取り寄せになっても気を落とさないでくれよ。」

「あ、わかったよ。今日はここまで長話ができて楽しかった。こんなに楽しい気分になったの、久しぶりだよ。どうせ、誰かが見舞いに来ても、決まり文句ばっかりでかえって疲れるだけだもの。そんなこと聞かされるんだったら、こうして音楽の話でもしてくれたほうがずっといい。」

「よかったね、水穂ちゃん。たまにはこういう時間もあっていいわよね。じゃあ、楽しんだ後は、よく休んでね。生活にメリハリつけることが何よりも大事なのよ。」

杉三や恵子さんがそう言ってくれるのが、何よりもうれしいのはよくわかるのだが、お前が一番必要なのはとにかく体を安静にして横になっていることなんだぞ。なんて、蘭は思ってしまうのだ。事実、問題がいろいろ発生してきているんだから、そうならないように休まなきゃ。

「おう、なんぼでも呼び出してくれ。もう、話すネタなら山みたいにあるからな。噺家じゃないから、おもしろくすることはちょっと苦手だけどさ。」

杉ちゃん、またそんなこと言って。

「ある意味噺家より面白いわよ。杉ちゃんは。」

「いや、みんな馬鹿の一つ覚えだから、おもしろくもなんともないよ。ただの馬鹿の話を勝手に誰かが面白いと感じているだけだよ。あ、テンペストの楽譜は、必ず買ってくるからな。ほしいものは必ず手に入れないと気が済まないのよ。」

もう、ほしいものはというか、無理やりほしがらせてどうするんだよ。

「あ、悪いね。海外の楽譜なので、ちょっと探すのが大変かもしれないけどさ。もしかしたら存在すら知らない楽譜屋もあるだろうけど、楽譜屋さんにも協力してもらって頑張って探してきてね。」

そうだよ、杉ちゃん。君はアルファベットも何も知らないだろ。

「ま、何とかするよ。てか、楽譜で商売している奴が、楽譜のタイトルを読めないのはあり得ない話だと思うけどね。まあいいや。何が何でも探してくるよ。楽しみに待ってろや!」

「スペルに困ったら、その紙を見せれば何とかなると思うから。じゃあ、また来てね。」

「おう、必ず!よし、タクシーに乗って帰るかな。蘭、帰りのタクシー頼むよ。」

ここで初めて杉三は蘭のほうを見た。なんだか、水穂より、自分のほうが疲れてしまった蘭だった。

「私、玄関までお送りするわ。」

「お、悪いねえ。よろしく頼むよ。」

「はいはい。あと、先生にご挨拶していって。」

「おう、わかってら。」

恵子さんは、静かにふすまを開けた。

「じゃあ、また来てくれるのを待ってるよ。」

「よし来た。任せときい。ただその代わり、今度来るときは、もうちょっと体力つけてね。」

「はい。わかりました。」

杉三が、そういうので、恵子さんも笑い出してしまった。

「じゃあ、またな!」

と、杉三は車いすで部屋を出て行った。蘭も黙ったまま、そのあとをついていった。

恵子さんが、先生に挨拶をといったから、二人は応接室へ行って、懍に長居をしてすみませんと挨拶した。懍はまた学会に出す資料を執筆していたが、蘭が申し訳なさそうに頭を下げると、

「お詫びなんていりませんよ。あれくらいしゃべってくれたら、彼もうれしかったと思いますよ。」

といった。それを聞いて蘭はまた閉口した。

「じゃあ、また定期的に来ますので。」

「はい、いつでもどうぞ。」

多忙な懍は、それだけ言ってすぐに執筆に戻ってしまったので、二人は恵子さんに改めてお詫びして、玄関から製鉄所の外へ出た。

数分後に、蘭が呼び出したタクシーがやってきたので、二人は運転手に手伝ってもらって、それに乗り込んだ。

「杉ちゃん。」

タクシーの中で、蘭は杉三に言った。

「もうさ、こっちへ来るのはよしたほうが良いのではないかな?」

「何を言っている。僕らが定期的に来ないでどうするの。みんなも寂しがるよ。」

当然のように杉三はそう返す。まあ、杉三に、起きたことを後で反省させようとしても、とてもできないことは蘭も知っているが、今日ばかりはそれを忘れていた。

「杉ちゃんさ、あんな風に、くだらない話でまくし立てるのは、やめてもらえないかな。でないと、本当に水穂も疲れちゃうから。それじゃ、まずいだろ。だから、そっとしておいたほうがいいんだよ。それに、かわいそうだと思わないの?できもしない、テンペストの楽譜なんてもらわされて。」

「できもしないって、そんなこと知らないわ。本人ができるといえばそれでいいのさ。」

「そういうことじゃないんだよ。機関銃みたいにしゃべり続けて、水穂も疲れるだろうし、ましてや、テンペストなんて、あんな荒っぽい曲弾いて聞かせろなんて、もう、どういう神経をしているんだ。」

「他に穏やかな曲なんてないよ。ベートーベンのソナタはね。それに、少なくとも中国語と区別がつかない女子中高生の発音には、極力近づかないように気を付けてしゃべっているつもりだけどね。」

「発音の問題じゃないよ。そうじゃなくて、接する態度の問題だ。健康な体でないわけだから、もうちょっと疲れさせないように、間を多く開けたり、話題を減らしたり、気を付けてしゃべってよ。」

「そんなこと気にしなくていいと思うよ。面接試験じゃあるまいし。態度を評価されているわけでもないんだから、変える必要なんて何もないんだよ。」

何を言っても馬耳東風。どうして杉ちゃんは、この人はこういう人だから、少し態度を変えなきゃいけないなとか、そういう風に考えることはできないんだろうか。それに、恵子さんも青柳教授も、誰も注意をしない。これでは、かえって甘やかすことになってしまうし、水穂にとっても体調悪化の原因になって、また迷惑ということになってしまう。それを伝えたいだけなのに、なんで誰も言わないんだろう。無駄だとでも思っているのだろうか?

もう、こうなったら、自分が教えるしかないな、と蘭は思った。

「杉ちゃん、明日本当にテンペストの楽譜買いに行くつもりか?」

「ああ、約束したんだから、必ず買いに行くよ。明日、朝ごはん食べたら呼び出すから、タクシーの手配とかよろしく頼むぜ。」

よし、ここで強硬手段に出よう!と蘭は決断した。

「もう、杉ちゃんさ、えらそうなこと平気で言うのに、いざとなったら、なんでも他人に頼るのはやめろ。それができなかったら、僕は明日手伝わないから。もう、杉ちゃんの勝手さは、本当に目に余るものがある。僕たちがどれだけ苦労しているか知ってもらいたいから、明日は悪いけど杉ちゃんが一人で行って!」

「あそう。じゃあしょうがないよな。じゃあ、何とかするわ。」

杉三はさらりと答えたが、この重大さを知らないから、今はそういえるけど、明日何もできなくて、自分のところへ頭を下げてくるだろうと蘭は確信した。そうすれば多少、自分が君のせいで、どれだけ苦労しているのかもわかってくれるだろう。よし、これでその機関銃のような口をやっと閉じてくれるぞ。

「じゃあ、そうしてくれよ。必ず何とかしてくれよ。明日僕の家に来るのは、結果報告の時だけにしてくれ。」

やっと杉ちゃんに勝利だ!と蘭はある意味喜んだ。

「はいよ。」

よし、その三文字しか言えないのなら、明日の勝利は確実に手に入れたようなものである。

数分後に、タクシーが止まったので、二人はまた手伝ってもらってタクシーを降りた。いつもよく言う、決まり文句もなしに、蘭は家に入ってしまった。

翌日、蘭は一人で朝食を食べて、最初のお客さんに備えて、鑿や針、インクなどの準備をした。午前中は、一人のお客さんの施術をしなければならなかったが、その間にインターフォンが五回なることはなかった。そのお客さんの背中に鳳凰を彫りこんで、指定時間に終了したあと、昼食を食べ、午後のお客さんの施術準備にとりかかった。お客さんは、指定時間にやってきた。また世間話をしながら、薄くなった腕の鯉をはっきり見えるように手直しした。最近では、筋彫りから始めるのではなく、どこかで入れてきたもので、経年により色が薄くなったものを彫りなおす手直しも結構やっている。意外に機械彫りでいれたものは劣化が早いようで、すぐに薄くなってしまう傾向がある。まあ、商売繁盛はいいのだが、こういうものはある意味で半端彫りに近いのではないかと思ってしまうこともある。そして、お客さんたちは、こうしてやってもらうと、やっぱり機械には限界がありますね、やっぱり日本の伝統ですから、人間が彫ったほうが絶対きれいに入るんですねえなんていう感想を必ず漏らす。それなら、初めから手彫りを探してくれればいいのに、と思うんだけど、手彫りなんて、今はやってくれる人を探すほうが大変なんですよ。なんて、言われることが多く、改めて、日本の伝統は廃れたなあ、と思わざるを得ない。

まあ、これが毎日の仕事である。自分の職業はそういうことなんだから。でもねえ、あんまりこういうことばっかり言われ続ける職業も、なんだかむなしいよね。

大体、一日の施術は、大概二人で終わる。まあ、たまに三人になる時もあるが、その頻度は少ない。今日は、二人であった。

二人目の人の手直しを終えて、道具を片付け、明日の予定を確認し、一人でコーヒーを飲みながら休憩していても、インターフォンはならなかった。仕事をしている間は気にならなかったが、終わってしまうとやることも何もなく、自動的に杉ちゃんのことが頭に浮かんでしまうのだった。まあ、何も言ってこないので、きっと行く手段がなくてあきらめたんだろう。これに懲りて、頭を下げてくるか。その時を楽しみに待ってよう。その時の蘭はそう考えていた。

その日、店を開店させようと思って、自宅部分から出て、店の部分に現れたカールさんは、店の入り口の前に杉三がいることに気が付いた。まあ、開店前から待ち構えていることは、杉三であれば珍しいことではない。いつも通り、また黒大島でも買いに来たのだろう。

「あ、杉ちゃん、今店を開けるから、ちょっと待ってて。」

と、声をかけて、店の戸を開けたところすぐに、

「カールおじさん。あのさ、ベートーベンのテンペストが売っているところはどこかな?」

杉三が真剣そのものでそう聞いてきた。その顔は本当に真剣そのもので、わざとらしいとか、ふざけているような雰囲気は全く見られない。

「杉ちゃん、いきなりどうしたの?」

「水穂さんに楽譜買ってやるの。」

理由を聞くと杉三は即答した。水穂さんだって?そういえばこないだ来てくれたっけ。なんだかすごく辛そうで、明らかに悪化したな、というのがよく分かる顔だった。それ以降は杉三からの伝聞でしか情報は得ていないが、あの人が再びピアノに取り組みだしたということは、もしかしたら、そういうことなのかもしれないぞとカールさんは直観的に感じ取った。

たぶんきっと、こないだ買ってくれた白大島は、着用というよりも、別の目的で使用するのではないかとも予想していた。

「なるほど。あの人は、元気しているのかい?」

「どうかな。昨日会いに行ったら、すごいかったるそうで、しゃべっている途中で寝かしてくれとか言っていた。」

それなら、予想は的中するかもしれないなと思った。

「そうか。じゃあ、買いに行ったほうがいいな。」

「そうだろ。水穂さんのことだから、日本のつまらない楽譜では満足しない。シュナーベルという人が編纂したすごいやつがいい。」

「シュナーベルね。というと、クルチ社だね。確かイタリアのミラノにある出版社だと思ったな。」

「日本で手に入りそうな楽譜屋はないだろうか。」

杉三がそういうので、じゃあ、そうしようとカールさんも決断した。

「すぐに入手したいし、通販は胡散臭いから使いたくないんだ。どっかさ、いけそうなところないかな。」

まあ、確かに通販というものは、カールさんもあまり好きではなかった。できれば、店で買ったほうが良いのになと思うことは多々ある。

「うーんとね、ここからだとちょっと遠いけれど、楽譜屋さんがあることにはあるよ。前に音大へ行っていたお客さんに聞いたことがあるけどね。輸入楽譜が充実していて、かなり珍しいものもあるようだから、行ってみる?」

「おう、頼むよ。できれば今日中に行きたい。」

「いいよ。杉ちゃんの事だし、今日は着付けの予約も何もないから、付き合うよ。」

「やった!ありがとう!ぜひ頼むぜ!」

この言い方をされると、断らずにはいられない。本人が武器としてそれを使うテクニックを有しているとは考えられなかった。時に、歴史的な美女が、笑顔を武器にして無理なお願いをし、そのせいで大戦争のきっかけになったという事例は本当によくあるが、少なくとも杉三は美女ではないし、どこから見ても中年のおじさんである。そのおじさんが、こういう言い方をするのは、よほど困ったことでもないとしないと思う。大体、男というものは、容姿を武器に他人を操るのは、あまり得意ではない。

「よし、とりあえず店は臨時休業として、ちょっと楽譜屋さんに行ってみるか。支度してくるから、ちょっと待ってな。」

「ありがとな!本当によかった!もう、蘭が怒っちゃってさ、口もききたくないってさ。買いに行けなかったらどうしようかと思ったよ。」

あーあ、やれやれ。また、変なことでけんかして。本当に蘭さんも頑固だな。いつも貧乏くじばかり引いていると愚痴を漏らしているが、それは、君がそうやって頑固すぎるからでもあるんだよ、なんて言いたくなってしまうのである。

「まったくね。蘭さんも、こまるよね。変なところに気を遣うからね。そういうところを水穂さんは、人のいうことを聞かない男だと表現していたな。」

「そうだろう。だから、困るんだよ。昨日だってさ、礼儀のことで怒り出して。僕からしてみたら、水穂さんがお願いしたことをかなえてやるのだから、そのどこが悪いんだとしか見えないんだが。」

「そうだね。よし、じゃあ行ってみよう。店の名前は、瀧澤楽譜店と言っていたな。お客さんの話だと、ここからは少なくとも車で三十分はかかるようだから、早く動いたほうがいい。」

「おう、善は急げだ。すぐ頼む。」

「わかった。ちょっと待ってて。」

カールさんは、杉三のスマートフォンを借りると、タクシーを手配した。

そうこうしているうちに、夕方になってしまった。二人目の客はとっくに帰った。蘭はコーヒーを飲んで、しばらくテレビを見て過ごし、時間が来たので、一人でラーメンを食べて夕食を済ませた。それでも杉ちゃんはまだ来ない。せめて、もう降参だ、ごめん、くらいは言いに来るはずだと思っていた。でも、来ない。どういうことだ。もしかしたら、一生、けんか別れするつもりなのか?それとも一人で無理やり遠方に行って迷子になってしまったのだろうか?切符が買えなくて駅長さんに文句言っているとか?いろんな光景が目に浮かんで、どうしても落ち着かない。これでは、いくら嫌な奴でも、二人一緒に行くほうが、よほど、安全だったと反省した。

と、そこへインターフォンが五回なった。

ハッとして、玄関先に急いで直行する。ドアを開けると、

「買ってきたぞ!シュナーベルの楽譜!」

でかい声と同時に、大きな紙袋が突き出された。ごそっと音がして、何かが取り出される。それは紛れもなく、ベートーベンのピアノソナタ集であり、ちゃんとアントゥール・シュナーベル校訂、クルチ社、ミラノとしっかり表記されている。

試しに頬を叩くと、結構いたかったので、現実と理解した蘭だった。

「杉ちゃん一人で行ったのか?」

思わず聞いてみると、

「いや、蘭さん。もうちょっと、杉ちゃんには説明を分かりやすくしてあげてくださいよ。」

と、カールさんが少し訛りのある日本語でそういった。

「杉ちゃん本当に君という人は、、、。」

あきれてものが言えない。

「カールさんが訳してくださったんですか?今日だってお店があるのに、わざわざすみませんでした。」

とりあえずお詫びだけはしなければと思い、急いでそういったのだが、

「いえいえ、おもしろい出会いもありましたので、悪いことではありませんでしたよ。」

と、カールさんは言った。ということは、また誰かと知り合ったのかと、蘭はさらにあきれる。

「積もる話は食べてから!そこの団子屋でお団子買ってきたから食べよ。」

紙袋には確かにみたらし団子のにおいがした。

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