第9話 真美ちゃん

真美ちゃんが来て、一か月が経った。

元々、適応能力が高いので、すっかり溶け込んでいる。

僕と二人でいるところ見ると、じろじろ見られたが、従妹とわかると落ち着いた。


天真爛漫で容姿端麗な真美ちゃん・・・

人気の出ないはずがなかった・・・


告白もされているようだが、やんわりと断っている・・・


嬉しくもあるが、寂しくもあった・・・


僕は朝起きるのが遅い・・・

休みの日は昼前まで寝ている・・・


ある日から、土日になると、朝から真美ちゃんがいなくなった・・・

そして、夜まで帰ってこない・・・


従妹とはいえ、プライベートなことに首を突っ込みたくないので、何もしなかった・・・

それが、数か月すると気になりだした・・・


ある日曜日、遅く帰ってきた真美ちゃんに、訊いてみた。

「真美ちゃん」

「何?」

「いつも、どこに行ってるの?」

「バイトだよ、あまり甘えるのはよくないから」

そうとしか言わなかった・・・


しかし従妹だ・・・

小さい頃からの付き合いなので、ウソだとすぐに分かった。

でも、詮索はよそう・・・逆なら嫌だし・・・


「もしかして、心配してくれていた?ふみやくん」

「・・・うん・・・」

「ありがとう」

いつもの笑顔だが、明らかに無理をしていた・・・


でも、月曜日になると、いつもの真美ちゃんがそこにいる。

なので、心配はしなかった・・・


ただ、真美ちゃんがここへ来た理由は、真美ちゃんと両親・・・

つまり、僕のおじさんとおばさんが、海外転勤したためだが・・・


だとしても急だな・・・

もちろん嘘ではないと思うが、それだけではない気がする・・・


しかし、ある日一本の電話があった・・・

それにより、全てが判明した・・・

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