第6話 初めての友達

家に帰ると、父が帰宅していた。

何でも、いつもより高級なレストランを予約したとのこと・・・


真美ちゃんも、とてもご機嫌だった。

クリスマスイブには、素敵な彼とシャンポンを交わして、

素敵な夜の過ごすのが夢と言ってた・・・


でも、僕は好きじゃない。

僕は不細工なので、そんなロマンチックなことをしても絵にならない。

笑いの種になるだけだ・・・


イブの夜は、こたつに入って鍋を囲んでの差しつ差されつがいいと思う。

真美ちゃんには、「ムードがない」と笑われたが、そういう問題ではない。


そんなこんなで、父が予約したレストランに、4人で言った。

真美ちゃんは、もともと両親からの受けもいいので、すぐに馴染んだ。


高級レストランとなると、フルコース辺りかと思ったが、

ステーキだけとなった・・・


(なら、もっと安い所でいいのに・・・)


「真美ちゃん、ふみやの面倒よろしくね」

「ふみやは、真美ちゃんがいないとだめだから」

「いいえ、そんなことないですよ。ふみやくんは、とても男らしいです」

3人で、楽しそうに話をしている。


まあ、僕はありがたいんだが・・・


「あっ、佐竹くんだ」

その声に振り向く。

「後藤さん?」

クラスメイトの、後藤さんがいた・・・

どうやら、ここでバイトをしているみたいだ・・・


「私、ここでバイトしてるの?佐竹くんはどうしたの?」

「僕は、家族で食事」

「そうなんだ。いいね。あれっ」

真美ちゃんに気が付いたようだ・・・


「その女の子はどなた?」

「あっ、この子は・・・」

そこへ真美ちゃんが、割って出た。


「ふみやくんのクラスメイトの・・・私、佐竹真美です。

いつも、うちのふみやくんが。お世話になっています」

「佐竹くん、まさか・・・」

「違う、従妹。今日からうちに、居候するの?」

後藤さんは、ホッとしたような、複雑な表情を浮かべた。


「初めまして、後藤優子です。真美さんは、おいくつですか?」

「ふみやくんと、同い年です」

「じゃあ、私とも同じだね。学校はどちらへ」

「明日から、ふみやくんと、同じ所に通うよ」

「そうなんだ。同じクラスになれるといいね。真美」

「うん、よろしく優子」

早くも、打ち解けたようだ・・・


まあ、真美ちゃんに友達が出来たのは嬉しいことだ・・・


「じゃあ、佐竹くん、真美、明日ね」

「あの・・・後藤さん・・・このことは・・・」

「大丈夫だよ」


後藤さんの下の名前は、優子だったのか・・・

初めて知った・・・

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