チンギス・ハーン・蒼き狼と白き牝鹿IV

・製品情報

ハード:パソコン

発売元:コーエー

ジャンル:歴史シミュレーション

発売日:1998/12/23



・概要

 モンゴル帝国により「世界史」が始まった12世紀から14世紀にかけての、ユーラシア大陸を舞台とするシュミレーションゲーム。

 プレイヤーは任意の国の君主となり、ユーラシア大陸の統一を目指す。

 いわゆる箱庭内政システムが導入されており、牧場、製材所、工芸所などを建てることで国を富まし、隣国へ攻め入る。

 また、施設を増築し、他の都市と交易することで都市の文化度を上げれば、優秀な将軍が集まりやすくなったり、優秀な子供(後継者)が生まれやすくなったりする。


 無印の他にパワーアップキット(PK)があるが、このゲームを遊びつくすにはPKは必須。

 PKでなければ、城壁を作って万里の長城を再現することも、都市を廃止することもできない。

 都市の廃止はPS版でもできるではないか、という意見もあろうが、PS版には致命的な欠陥がある。

 それは、ゲームが進み、各都市間の争いが活発化すると、PSの演算能力では対応できなくなり、自分の番が回って来るのに時間がかかるようになる点だ(ひどいとフリーズする)。


 中古で入手する場合、PS版は五千円、パソコン版の無印は一万円、PKになると四万円は必要。

 ソフトだけでなく、攻略本も高い。



・思い出

 世界史好きにはたまらない作品。

 12世紀から14世紀にかけての主要人物が出てくるが、知らない人も多いので、関連書籍をいろいろと読んだ。

 一冊だけ挙げるなら、陳舜臣の「チンギス・ハーンの一族」がお勧めである。

 また、関連サイトの「激動ユーラシア」は、攻略の役に立つだけではなく、読み物としてもおもしろい。

 歴史もののサイトでは、「NHK大河ドラマ 太平記大全」と双璧をなす時間泥棒である。


 ゲームとしては、普通にクリアするだけならば難しくはない。

 次のように、自分でいろいろと縛りを付けて遊ぶようになれば半人前である。

 最大8人の君主を同時に操作できるので、7国を一つにまとめた後にコンピュータへ任せて国家存亡の危機からはじめる。

 火砲兵・騎兵は使わない(当時の時代背景に基づき、騎兵が強い)。

 世界の統一よりも、自分好みの都市を作ることに目覚めれば、一人前と言ってよい。

 都市と都市をつなぐ道路の引き方にもこだわってほしい。


 なにより、このゲームを魂の底から楽しむには、自らの歴史知識に裏付けされた想像力をどれだけ駆使できるかにかかっている。

 ゲームシステムもグラフィックも簡素なので、プレイヤーの想像力を発揮しやすい。

 歴史の本を読んだら、その本に関係する国でプレイする。

 飽きて他のゲームをしているうちに、読んでいる本の影響でまた遊びたくなり、を延々と繰り返している。

 とにかく飽きない。

 前は大清帝国を建国して明を滅ぼした。

 次は、鹿島茂さんの「ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815」の影響を受けて、かなり早めのフランス帝国を作る予定である。

 コーエーの歴史ゲームでは他に、「信長の野望 烈風伝」にも時間を溶かしてきた。



○終わりに

 私の時間を溶かしてきたゲームをまとめると、システムが単純で、ラジオを聞きながら・マンガを読みながら片手間に遊べることが必須条件のようである(音を消せるのも大事)。



 こぼれた水はまた汲めばいいが、過ぎた時間は戻らない。

 私の時間を溶かしてきたゲームについて語ってきた。

 書いているうちに何度もチラついた次の言葉を、読んでくれた人たちに贈り(とくに子持ちのかたへ)、この文章を終えたい。


























 ゲームは一日一時間。

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