芥川龍之介の「羅生門」は、犯罪を行う理由が「生きる為」という、ある意味普遍的なテーマです。本作品もその流れを汲む内容の一つだといえるでしょう。
この作品は、それに加えて様々な「理由」が登場します。逆に犯罪を行わない理由。そして何より犯罪を行えない理由……これは「個人」と「組織人」という、もう一つ普遍的なテーマが掲げられています。
5000文程度の短い文章ですが、普遍的なテーマを、そしてそれらを表現できる舞台をしっかり設定した良作です。
短編が好きな方はもちろん、小説を読み慣れていない方や長編小説が読み切れないような方もぜひ!