第7話 ふたりで・・・
僕の名は、佐々木雅昭
私立の共学の高校に通う3年生。
友達はいない、よって彼女もいない・・・
殆ど会話はない・・・
家族は両親と弟
仲は険悪とまではいかないが、かなり悪い
視力は、左右とも0.01
趣味はインドア派
性格は、おとなしいが悪く言えばネガティブ
そんな僕が、たまたまアクセスしたサイトで1人の女の子と出会う。
もちろん、リアルな女の子ではなく、プログラム。
記念ヒットということで、料金はただ。
ネット上のショールームをダウンロードしたような感じらしい。
名前は四葉・・・彼女の希望で僕がつけた・・・
そのサイトには、まるで風俗店のパネルのように、多数の女子がいた。
アンケートを入力するように指示され、入力したところ、女の子を推薦された。
それが、四葉・・
依頼一カ月、彼女との会話は生活の一部となった・・・
でも、プログラム・・・
ただ、四葉から僕へ、誕生日プレゼントを贈るという話があった・・・
近々届くと言う・・・
ピンポーン
玄関のベルがなった・・・
家族はいないようだ・・・
ドアを開けてみる・・・
「雅昭くん、元気?」
「四葉?どうして?」
「言ったでしょ?君にプレゼントを贈るって」
「うん」
「だから、私かプレゼントなの・・・」
「どういうこと?」
しばらくしてから、四葉は答えた。
「実は私たちは、君のような友達のいない子を、
助けるのが仕事なの・・・
私との会話の中で、君は変化を遂げた。
私に心を開いてくれた。とても、嬉しかったよ」
「でも、住所は教えていないはずだけど」
「私との会話の中で、もらしてたよ」
記憶になかったが、それだけ夢中になっていたのか?
「もし、最初から本当の事を言えば、君は緊張したと思う。
そしたら、心を閉ざしたままだったと思う・・・」
否定はしない・・・
「だから、プログラムと偽った・・・」
確かにプログラムのほうが、話せたと思う・・・
情けない話だが・・・
「おせっかいだけど、思ったの」
「何を?」
「彼は私がついていないと、ダメなんだなって・・・」
「悪かったな・・・」
「否定できる?」
「できません」
そう、僕は願ってた・・・リアルにいればいいなと・・・
その願いが叶ったのだ・・・
「でも、いつしか私も、君の事が好きになっていた。
だから、会いたくなったの・・・」
「うん」
四葉は手を握ってきた・・・
とても、温かい・・・
人のぬくもりとは、こんなに心地よかったのか・・・
忘れていた物が、ここにはあった・・・
「雅昭くん、だめかな」
「だめじゃないけど・・・」
「けど・・・」
「ならひとつ訊かないと・・・」
「何を?」
しばらくして、その質問を口にした・・・
「君の本当の名前を教えてください」
「私?私の名は・・・」
バーチャル・ガール 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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