第6話  四葉という名の女の子

さらに一カ月が経った・・・


「あっ、お帰り、雅昭くん」

「だだいま」

もう、日課になった・・・


でも、本当にお金はなくても、大丈夫なのか?

逆に不安になる。


「本当はね、ある程度のお金は支払ってもらってるわ」

「うん」

「でも、君は一万人目の記念アクセス者だから、特別なんだ・・・」

「そうなのか・・・」

今、思い出したことがある・・・


「ところで、四葉」

「何?」

「確か、差し上げるって、出てたと思うけど・・・」

「そうだよ」

「じぁあ」

「私は君の、君だけの者・・・」

普通の人間なら問題だが、プログラムならいっか・・・


「ところで、四葉は食事はいいの?」

「必要ないよ。君との会話がエネルギー源かな・・・」

「そう」

となると・・・あれは、聞かないでおこう・・・


「ところで、雅昭くん」

「何?」

「私を見て、気付かない?」

じっくり見てみた・・・


「服装が変わってるね」

「気付いてくれた?君の好みに合わせたんだよ」

「わかるの?」

「君の言葉づかいから、だんだんとわかってきた」

「髪は、ポニーテールのままなんだね」

「うん、これは君の好みでもあるけど、私の好みでもあるからね」

「そうなんだ」

やはり、気が合うようだ・・・


「ねえ、雅昭くん」

「何?」

「もしもだけど、私がリアルな女の子だったら、どうする・・・」

「どうしたの?いきなり・・・」

「答えてくれる?」

「とても魅力的だと思う。でも・・・」

「でも?」

「僕には、もったいないな・・・」

しばらく間があった・・・


「そいうと思ったよ」

「えっ」

「雅昭くんは、いい意味で甘えん坊だもんね」

否定はしない。


「私も、弟みたいな感じだから、君のこと」

「あっそう・・・」

しばらくの沈黙の後、四葉は言葉を口にした。


「もうじき、君の誕生日だね」

「うん」

「君に素敵な、プレゼントを贈ったから・・・」

「えっ、何で?」

「私の気持ち・・・」

来たいと言うより不安が大きかった・・・

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