鎌倉日帰り編
登場人物・プロローグ
登場人物
※今回は鎌倉を日帰り観光します。とても短いです。ご了承ください。
それではどうぞ。
一 八月△日、午後二時三十五分
『たーさん! あーそびーましょー⊂(・∀・⊂*)』
夏日が続く、八月のとある休日の昼間。
幼馴染み――
彼女とは保育園からの付き合いで、同じ小中学校を卒業し、高校は別ではあったが方向が同じだったこともあって時々一緒の電車で通っていた。卒業してからというもの、ろくに連絡をとっていなかったけど、私が実家を出て就職した頃からまた連絡を取り合うようになった。
今回は久々に、土日で休みが取れたらしく、遠出がしたいとのことだった。
「いいよー。どこ行く?」
『マグロ丼が食べたいから鎌倉がいい!』
……ん?
千晴の即答に、混乱する。鎌倉といえば、神奈川県鎌倉市のことだろう。そして有名なのはマグロではなくどちらかと言うとシラスである。
そういえば、以前遊んだ時も鉄火丼を注文していたなぁ。それほど好きなのだ。それに加え、彼女も私も海のない内陸県で育った。海には特別な思い入れもあるのかもしれない。
鎌倉ならば、私も何度か行ったことがあるので多少案内はできるだろう。丁度SNSで見つけたコーヒースタンドにも行きたかったし。
しかし、ここで一つ疑問が浮かんだ。彼女はどうやって鎌倉に来るのだろう。新幹線にしても、一時間以上はかかるし、乗り換えが大変だ。車で来るとしても、時期的には連休のUターンラッシュに巻き込まれてしまう可能性が高い。そして日帰り観光なら、朝早く家を出たとしても鎌倉に着く頃には昼過ぎだ。その点はどうするのか問うと、即答で返ってきた。
『運転する! 車で県外とか……テンション上がる!』
その心意気、見習いたいよ。(私は運転できないので、尊敬する)
車で来る、ということは次の日休みだったとしても日帰りは大変だろう。
「うち泊まる?」
『泊まる! 朝御飯はたーさん作ってね!』
決定事項かーい。
――と、前にも似たようなことがあったなぁ、と思い出しながらも口にはしなかった。
こうして、一泊二日の鎌倉旅行……いや、今回は鎌倉観光と言った方がいいだろう。何となくの日程が決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます