Life and love

まっつん

第1話

「好きです、付き合ってください」

画面に打たれた文字を見ながら思考が停止している僕は既読マークのついたまま、画面を消した。初めてだった。初めて告白を受けた。その余韻に浸ってるのもつかの間既読無視していることに気づく。僕は慌てて返事を返す。

「ありがとう。気持ちはとても嬉しい、うれしいよ」

ここまで打って僕は不安になってしまった。なにかのドッキリではないのだろうか。もしかしたらなにかのテレビ番組のドッキリ企画でどこかにカメラがあるのではないのだろうか。もしそうなら早く出てきて欲しいそう思った。

【ピロン】

何かを悟ったのだろうか、彼女からのメッセージだ。

「私じゃダメですか?」

僕は随分返信にかかっていたようだ。時計を見ると五分ほど過ぎてしまっていた。僕は思い切って聞くことにした。

「こんな僕のどこがいいの?」

するとすぐに返信はきた。

「優しいところとか、礼儀正しいところとか、趣味が合うところですかね。」

優しいのも礼儀正しいのも裏の事情があるから。こんなこと言ったら絶対裏の事情を聞かれてしまう。そうすれば僕はもう生きていけなくなってしまうだろう。リアルのように怯えて過ごす生活には戻りたくない。

「そっか」

ぼくは1度息を吐いた。この子と知り合って1ヶ月。毎日のように話した。趣味のこと、好きな食べ物、好きなタイプ、などなど。たしかに文句のつけ所はない。趣味も合うし、食べ物の好みも合う、むしろ合わないところが見当たらない。でも、ぼくには踏み切れない理由がある。それでも彼女の押しは続く

「1ヶ月だけでもいいです。付き合ってみませんか?」

今回ばかりは押しに負けることにした僕は震える指を抑えながらボタンを押した

「よろしくお願いします」

ぼくはまた一呼吸置いたあと送信ボタンを押した。

こうしてネット恋愛は幕を開けた

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Life and love まっつん @sizuqtaku

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