第3話 悲劇のブロッコリー
蛇愚地山羊人(じゃぐちやぎと)は難波とかで遊んでそうな青年の村へ向かっていた。
「すいませんヤギトの兄貴、俺バカだから自分の産まれた村しか知らなくて」
「いいんだぜ、そっからバスとか電車で帰るからよ」
「はぁ、俺バカだから分かんねえっす」
「バカでも自分の名前くらい知ってるよな」
すると難波とかで遊んでそうな青年はしばらく考えて
「オカキっすたしか」
「そうか、じゃあ今日から友達だな」
ヤギトはわりと人として最低レベルの人間だったが友達は多い方だった。
五千歩くらい森の中を歩くとわびしい村に着いた。
「ここが故郷のゾルフバーグ村です」
「駅とかなさそうだな。一応お前の家行こうぜ」
ヤギトの希望でオカキの家に行く事になった。
オカキの家は木とワラで出来ていた。それはオカキの家だけでなく、どの家もそうだ。
「すげえ五箇山みたいだな」
「オカキ、オカキなのか」
長老って感じの長老がオキカを見つけて驚いている。
「長老オッス」
「あっオッス」
ヤギトも便乗挨拶しておいた。
「オカキよ、28時間も一体どこへ行っておった」
「実は隣の村の妖師に拉致されそうな所をヤギトの兄貴に助けてもらったっす」
「おお、それはそれはなんとお礼をしたら」
長老は感激してヤギト兄貴歓迎会を開くことになった。
夜になると村民運動ホールでヤギト兄貴歓迎会が始まった。
テーブに並ぶのはどこまで見渡してもブロッコリーである。
「うわっメッチャウケるわ。ブロッコリーしかないやん」
すると長老は語り始めた。
「聞いてくだされヤギト殿、実はこのゾルフバーグの村もかつては豊かな農村であった。それがどうだ、今は見ての通りブロッコリーしか生えてこない痩せた土地になってしまったのじゃ」
「可哀想だな」
ヤギトにもそんな感情があったのだ。
「それというのも隣の村の妖師達による呪いなのだという」
「それじゃあしょうがねーな」
「そうですな」
こうして歓迎会が始まったのであった。
ブロッコリーの栽培方法については、農林水産省のホームページに記載されているので要チェックだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます