第2話 妖師の脅威

 蛇愚地山羊人(じゃぐちやぎと)はコンビニを探していた。

「タバコ買いてぇのに針葉樹林しかねぇぜ」

 などと愚痴を漏らして歩いていると森の奥から声が聞こえる。

「助けてくれぇ……誰か……」

 難波とかで遊んでそうな青年の声だ。

「助けて欲しいのは俺の方だって。嗚呼コンビニ行きてぇ」

 無視して歩き続けると、叫びは益々近づいて来る。


 そして、ヤギトの前に難波とかで遊んでそうな青年が茂みから飛び出した。

「そこの兄さん、助けてくれぇ」

 とすがりついて来るではないか。

「黙れ、助けて欲しいのは俺なの」

 ヤギトは腹が立っていた。

「あっすいません」


 そして、屈強そうな半裸の男が茂みから飛び出した。

「その男を私によこせ」

「ふんっ」

 ヤギトは有無を言わさず、半裸男の顔を拳で撃ち抜いて仕留めた。

「なんだホモストーカーに追われてたのか」

「それは妖師っすよ」

「ようじ?」

「ほら、妖術を使うあれっす」

「ほう、それはすげぇな」

 二人はとりあえず妖師を木に縛り付けて立ち去った。


 だがこれはまだ、シバックス大戦の序章にすぎないのだった。


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