第15話 簡単な事、そうでない事

あれから約二週間

夏休みに突入

一緒生活からの解放

待ちに待っていた朗報


夏休み一日目

俺は時計のない生活を計画

存分にだらだらしてやる


しかし

あいつが部屋に入ってきた

スクランブルエッグが冷めると


起こすなと布団をかぶる

それも虚しく

リビングに連行


俺を椅子に座らせ

キッチンからティーポットを持ってきた

慣れたもんだと紅茶の湯気がたつ


朝食を終え

俺はまた自室に戻って寝るプラン

階段を上がる

またあいつに掴まれる油断


なんだよと振り返る

久しぶりに

いとも簡単に


俺は

俯角で

不覚に

深く


あいつに抱きかかえられた


「制服、クリーニングに出しに行こう」

だそうだ

俺のだらだら生活は一日目にして

途絶えた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る