第6話 変わった巫女服

「勇気くん、はしご持って来たよ」

「あっありがと」

そういって、はしごを木にかける。


「勇気くん、大丈夫?」

「何が?」

「高い所」

「慣れた」

はしごに登ると手を伸ばす。

幸い近くにいてくれたので、簡単につかまえられた・・・


そして、コネコが怖がらないように、ゆっくりと降りる・・・


「その子、オス?メス?」

「えーと、オスだよ」

「名前はわかる?」

「んーと、首輪には『菊千代』と書いてあるな・・・」

そして、コネコを逃がす・・・


まだ、人には慣れていないようだ・・・


「どうして菊千代て名前なんだろうね」

「漫画家の、赤塚不二夫先生の飼い猫から、とったんじゃないかな」

「詳しいね」

失言だったと思う・・・


「勇気くん、血が出てる」

「えっ」

膝を見ると、血が出ていた。

どこかで、すりむいたのか・・・


「待ってて」

そういうと、みこは走って行った。


そして、救急箱を持ってきた。

「少し我慢してね」

そういうと、手当をしてくれた。

手なれたものだった・・・


「ありがとう」

「こちらこそ、あの子を助けてくれて、ありがとう」

何だかくすぐったい・・・


「あの、みこ」

「何?」

「今更だけど、巫女服が普通と違うね」

「えっ、」

「たしか、白と赤だったかと・・・」

「今頃気が付いたの?」

「いや、前から気付いてたけど、ヤボかなと・・・」

そう、みこの巫女は、従来の白と赤ではなく、ピンクと緑だ・・・

まるで、コスモスが思い浮かぶ・・・・


「じぁあ、宿題ね。考えておいて」

そういって、みこは立ち去った・・・


僕は、ネコの世話をしている。

というか、遊んでいる。


とても、楽しい時間だった・・・


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