第4話 突然に・・・
「で、ネコの世話って、具体的に何をすれば」
「餌とか、お風呂とかは、飼い主がしてくれるので、いらないわ」
「そうなの?」
「うん、さすがに餌を与えるのは、まずいしね」
確かにそうだろう・・・
「君にしてほしいのは・・・」
「うん」
「この子たちが、ここに来やすいような場所を作ってほしいの」
「えっ、僕にそんなことは・・・」
「大丈夫、君の事は、いとこから聞いてるわ」
あいつは、何を話したんだ・・・
「私も、ネコは好き。だからこの子たちには、幸せになってほしいの?」
「でも、それなら僕でなく、もっと適役がいるんじゃ」
みこは、首を横に振った・・・
「君じゃなきゃ、だめなの?」
「どうして?初対面なのに・・・」
「私はみこよ・・・一目見れば、君の事がわかるわ・・・」
拒否する選択肢はないようだ・・・
「もちろん、私も手伝うわ。でも、主導権は君にある」
「えっ?」
「しばらくしたら、私のいとこが君を推薦した理由がわかるわ」
初めての事でわからない・・・
でも、ここまで頼まれては、もう後には引けなくなった・・・
「でも、僕は・・・」
「普段、引きこもっている事は知ってるわ。
でも、だからこそ、お願いするの・・・」
「どうして?」
「ネコと触れあう事で、君が癒されるのを願ってる・・・」
「どうして・・・」
「今は、秘密・・・」
聞かない方がいいだろう・・・
ポジティブな理由でないのは、わかってる・・・
でも、まあ悪くないか・・・
「でも、みこ」
「何?」
「いきなり貫禄がついたね」
「女は、いくつもの顔を持ってるのよ」
「でも、学校もあるから、そう四六時中は・・・」
「それは、大丈夫」
「えっ?」
「君の高校は、この裏だから・・・」
慌てて、地図を見た・・・
確かに裏だった・・・
「ちなみに私の高校は、その隣の女子高」
地図を見なおす。
確かに隣接していた・・・
「じゃあ、改めてよろしくね。」
再度、手を握られる・・・
思春期の男子に、これは反則だ・・・
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