第3話 お仕事

「この神社、普通じゃないね」

「ええ」

反論しないのか・・・


「勇気くん、ネコ平気?」

「はい、好きですけど・・・」

「よかった・・・実はね・・・」

僕はゴクリと、生唾を飲んだ・・・


「君にお願いしたい仕事なんだけどね。

「はい」

「この神社には、ネコのたまり場と鳴ってるの」

「もしかしえ、その野良猫たちの、面倒をみろと・・・」

「野良猫じゃないんだな・・・」

「えっ」

みこの言ってる事がわからなかったが・・・


「ネコの集会って知ってる?」

「うん、ネコは夜になると、集まる習性があるんだね」

「そう、ここはネコたちの集会所となってるの?」

「でも、どうして野良猫じゃないって、わかるの?」

「殆ど、鈴付けてるから・・・」

でも、ネコの面倒を見る事には変わりはない・・・

だが・・・


「でも、そんなことしたら、問題だし、参拝客が来なくなるんじゃ・・・」

「それは大丈夫」

「えっ」

「ここは、ネコと触れあいたいという人が、たくさんいるの・・・」

「ええ」

要するに、ネコカフェならぬ、ネコ神社だろう・・

深く追求するのはやめた・・・無駄だろうし・・・


「勇気くん、今日から住み込みでお願いね」

「住み込み?聞いてないけど・・」

「安心して、君の家には連絡しておいたから」

「そしたら?」

「愚息を鍛えなおしてくださいって・・・」

否定はしない・・・

否定はしないが、さすがにいきなりすぎる・・・


つまり、掃除は口実か・・・


「で、半年もここに住まわせるのは本当」

「うん」

覚悟するしかなさそうだ・・・


「安心して、もう部屋は用意してるから」

「どうも・・・そのかわり・・・」

「なに、勇気くん」

「妙なことしないでね・・・」


しばしの沈黙の後・・・

みこの声が鳴り響いた・・・


「それは、女の子の私がいうセリフ」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る