青の村にて 暴走の予防と鍛錬開始
回復のための食事が終わり三体のところに行くと、
「
僕が近くにいる事も気づかない三体を青い煙が一気に包み込む。そして少ししてから魔法を解除すると青い煙が晴れて中から、いつもの三体が見えてきた。
「落ち着いた?」
「ガア」
「ブオ」
「ハイ。……ヒドイ姿を見セテシマイマシタ」
「気にしないで。でもお前らが暴走したら、
僕の言葉に三体は冷静に落ち着いた様子でうなずく。これなら頼み事をしても良さそうだね。
「これから僕は、兄さんと姉さんを元に戻すためにイーリリスさんから
「ガ!!」
「ブ!!」
「オ任セ下サイ」
「ありがとう。それじゃあ行ってくる」
僕は三体に見送られてイーリリスさんのところに戻る。ちなみに広場を出る時に三体を遠巻きに見ていたハインネルフさんを始めとした青のみんなから全力で感謝された。だいたいの人が涙目で僕に礼を言ってきたり心底ホッとしていたので、暴走寸前の三体が相当怖かったらしい。まあ、僕でまずいって思う状況だったから仕方ないね。
イーリリスさんの家に着くと玄関をくぐり、三体のところへ行く前にイリュキンから教えてもらったイーリリスさんが寝ている兄さんと姉さんを見ている部屋まで歩いていく。部屋の中は入口から見て右の壁の一面が様々な形の器が置かれた棚に覆われていて、入口から見て左の壁も右の壁と同じく一面棚に覆われているけど収納されているのは見るからに古い本だ。
これがイーリリスさんの言ってた
部屋に入るとラカムタさん・リンリー・イーリリスさん・イリュキンが、部屋の真ん中で頭を窓側に足を入口側にして寝かされている兄さんと姉さんを囲むように座っており、並び順はイーリリスさんが二人の頭の方にいて、そこから時計回りにイリュキン・ラカムタさん・リンリーの順番だ。四人が戻ってきた僕を見る。
「待たせたかな?」
「いえ、大丈夫です。あの三体を落ち着かせてもらうのも大事なので必要ならば待ちます」
「そうだぞ、ヤート。ここにいても感じるくらい暴走寸前だった三体をなだめれるのはお前しかできないんだ。その慎重にするべき重要な役割を急かすような奴はいない」
イーリリスさんとラカムタさんの言葉に、リンリーとイリュキンも当然の事だと言わんばかりにうなずく。……四人の雰囲気を見る限り兄さんと姉さんの状態に変化はないみたいだから、今のところは僕がイーリリスさんから鍛錬を受ける時間はありそうだね。僕は立ったままイーリリスさんに聞いた。
「イーリリスさん、
「まずはこちらへ座ってください」
僕はイーリリスさんに促されてイーリリスさんとイリュキンの間に座った。それを確認したイーリリスさんは次に僕の前に左手を掌を上にして伸ばす。
「イーリリスさん……?」
「
イーリリスさんの掌の上に
「
「どのように動いてますか?」
「……右回り、次は左回りで、その次は僕から見て手前から奥への回転……かな」
「それだけ見えていれば、かなり筋が良いと言えます。それではこの状態では中の動きがわかりますか?」
イーリリスさんが言うと、
「ヤート殿、この一見何も見えない状態のものの奥底の動きを感じるのが、私の言う流れを知るという事です」
「僕の同調を試しても良い?」
「どうぞ」
イーリリスさんから許可を得て
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想・評価・レビューをお待ちしています。
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