青の村にて 考察と変化
ジーッとイーリリスさんの掌の上に浮かんでる表面が濃い青に染まった
……要は同調と同じで目に見えないところを認識するって事だよね。うーん、視覚に頼らない方法か。まず思いつくのは聴覚だけど、耳をすませてみても
薄々感じていたけど、やっぱりイーリリスさんの言う「流れを知る」っていうのは五感で感じる性質じゃないのかもしれない。それじゃあ何で感じるのか? ……イーリリスさんは「自分の意識が流れに乗って運ばれていく」って言ってたな。意識って自分から流れに乗せれるもの? ……今のところ僕には魔力ぐらいしか思いつかない。もし間違ってたらイーリリスさんが言ってくれるはずだし、やれるだけやってみよう。
僕は
「おっ」
僕の魔力はイーリリスさんの
「ここまでか……」
……魔力じゃないのかな? でも、
「お祖母様、私のやり方を見せても良いでしょうか?」
「……できるならヤート殿には、このまま自分の感覚ややり方で流れを知る事を体得してほしかったですが、今は時間をかけれないのが残念です。……それではイリュキン、久方ぶりにあなたのを見せてください」
「わかりました。ヤート君、参考になるかはわからないけれど私のを見ていてほしい」
「わかった」
僕は魔力を放つのをやめて、イリュキンの一挙一動を見逃さないように目を凝らす。まずはイリュキンがイーリリスさんの
「お祖母様、この
「イリュキン、正解です。前よりもさらに短時間で静かに流れを感じられるようになっていますね」
「ありがとうございます。……ヤート君、どうかな? 参考になったかな?」
僕は、イーリリスさんとイリュキンの会話を見て首を傾げていた。これはラカムタさんとリンリーも同じで、どう言って良いのかわからないって感じだ。ただ手がかりはある。それはイーリリスさんの「静かに」という言葉で、つまりイリュキンは僕・ラカムタさん・リンリーには、何もしていないように見えて何かをしていたという事だ。
「……ラカムタさん、ラカムタさんからは僕とイリュキンはどう見えてた?」
「……そうだな。ヤートは魔力を放出して、その魔力が
「私も基本的にはラカムタさんと同じですが、イリュキンさんの意識が
なるほど
僕は
問題なのはおそらく魔力を発しただろうイリュキンの掌から僕は魔力を感じなかったという事だ。放たれてるはずなのに僕は感じない。……イーリリスさんは「静かに」って言っていて、リンリーは「私が気配を消して戦ってる時と似た感じ」と言ってたな。
「…………もしかして魔力は自分の意思で変えれる?」
僕は自分の魔力を一度掌に溜め、兄さんと姉さんの意識に同調して失敗した時の僕の意識がバラけて細かくなっていく感じを思い出し、その感覚を掌に溜めている魔力に向けると
元々、この世界の生物・鉱物などの全てがそれぞれの魔力を持っている。そしてこの魔力は他にもあって、例えば
イリュキンのやってた事がわからないはずだよ。世界そのものの魔力なんて当たり前に身近にありすぎて意識できないものだから、そこにあっても見えないんだ。……よし、自分の魔力を世界そのものの魔力に変える事が正解なら、これを
「……カフッ、ウゲーー」
世界そのものの魔力に変えた自分を
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想・評価・レビューをお待ちしています。
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