#3 魅惑の団地妻

 ぼくの親友は団地に住んでいる。団地には公園があって、よく遊びに行く。


 親友のママはいつもぼくに優しくしてくれる。麦茶を注いでくれるし、夕飯に呼ばれたこともあった。

 顔も綺麗で、スタイル抜群で、モデルさんみたいだ。団地で噂の美人妻なんだって。団地のおじさんが教えてくれた。


 ある日ぼくは親友のママと二人きりになった。親友がお腹を壊してトイレに引きこもったからだ。

 ぼくらはたわいもない話をした。学校のこと、習い事のこと、家族のこと、エトセトラ…

 じっと顔を見つめられた。脈が早くなった。ドキドキしている。


「母ちゃんに似てるねぇ」


 親友のママは言った。

 ぼくはまだドキドキしている。ぼくはどうかしてしまった。親友のママに、惚れてしまった。好きだ、好きだ、どうしよう。

 親友のママを好きだなんて頭のおかしいヘンタイじゃないか。学校でいじめられるに違いない。


 そんなことを考えていた矢先、コップをひっくり返して麦茶をこぼした。

「どうした〜?ボーッとしてるぞ〜?」

 そういいながら机を拭いてる。綺麗だなぁ…


 ぼくの初恋は親友のママだった。そのあとすぐに転校生の美少女に目移りしたから、この気持ちはしまっておこう。

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君の街 わみたゃん @wamitayan

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