第2話 魔王様の正体

目覚めると、そこはふかふかのベッドの上だった。

ここは医務室みたいな場所で、幾つか、ベッドがあるみたいだ

「ここどこだよ。てか、俺はゴーレムみたいな奴に殴られたんじゃないっけ…」

そんな独り言を言っていると

「失礼します……ってもう、目覚めたんですか??」

医務室に来たのは、14歳みたいな容赦をしていて、頭には犬耳

それと、尻尾がはえていた。そして、金髪。服装はナース服だった

すげぇ可愛いなぁ

「あのーここは、どこなんですか??」

そう、本題は「ここはどこなんだ」ということだ。

あの後、ゴーレムに殴られた俺は「連れていけ」という言葉しか覚えていない。

もしかして、魔王城ではないか?でも、魔王城はもっと邪悪なイメージしかないし

なんか、黒そうだし。

「ここは、魔王城なのです。あなたは魔王軍に拉致されたのです。」


……まじか。

魔王城って、綺麗なんだなぁ…じゃなくて拉致!?

俺ってこの後どうなんの??死ぬまで拷問されんの??

異世界、もっと楽しみたかったなぁ(泣)

「おいおい、拉致って言い方はないだろ。アリスちゃん」

医務室の扉を開けて、来たのは俺と同じくらいの年齢の人だった

……なんか、見たことがあるような気がするような…??

「久しぶり!!しらちゃん!!」


え??俺のあだ名を知っているのって…


「あ!!ふくちゃんじゃん!!なんで、ここにいんの!?」


そうだ、ふくちゃんしかいない!!

こいつの紹介をしよう。中学からの大親友の「福田 愕」ふくちゃんである。

ふくちゃんはアニメ好きで、ゲーマーな癖に運動神経抜群のやつだ。

しかし、こいつはとっても”バカ“である。テストは毎回赤点以下

でも、とっても話が合う奴である


「魔王様にそんな口を聞いてはいけないのです!!」


「アリスちゃん、一回黙ってもらえるかな?」


「っっ!!申し訳ございません…」


「ちょっとふくちゃん!その言い方は酷くないか??俺が立場をわきまえなかったからだろ??ってかお前いつから魔王なの?なんなの?俺を差し置いて、いつから魔王になったの??こんな美少女に慕われて正直、羨ましいよ」


「そうだよね…ごめんねアリスちゃん…」


「いえいえ!魔王様は悪くないです!!私が悪かっただけなのです!」


意外と素直なんだよなこいつ。昔から怒られることだけは嫌だったからな

ちょっと強く言い過ぎたかな??

てか、アリスちゃんまじ天使すぎ。


「アリスちゃん。ちょっと席をはずしてもらっていい??しらちゃんと話があるんだ。」


と、ふくちゃん(魔王)が言うと、アリスちゃんは「失礼しました」と言って

医務室の扉から出ていった。










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