第3話 邂逅
訓練に勤しんでいたある日、俺たちシャドウ3人に召集がかかった。
「君たち3人にはシャドウとして次の任務に当たってもらう」
俺たちに課せられた任務とは、独裁国家ファンクの研究者を最小限の犠牲で捕らえることだった。
「これは君たちシャドウにしか出来ない任務だ。よろしく頼むよ」
藤々さんに対し秀人は
「任せてください、藤々さん!俺たち、必ずやって見せます!」
と意気揚々と返す。俺も同じ気持ちだった。おそらく留無も同様だろう。
そして当日、俺たちは作戦通りにことを運ばせるため、念入りに準備を進めていた。
「事前に言われた通り、私の触手が大活躍しそうだね、頑張らなくちゃ、、、!」
「留無ちゃん、気合入ってるねぇ!俺も張り切っちゃうぞ!」
俺たちは早速研究者がいるであろう施設に乗り込んだ。しかしそこに広がっていたのは衝撃的な光景だった。
「なんだよこれ、先客でもいたのか、、、!?」
なんと研究者や政治家が皆殺しにされていたのだ。部屋のど真ん中に死体の山が出来ている。だが、その近くでうずくまる少女を見つけた。
「なんでなんでこんなことにおかしい何もかもおかしい私はこんなつもりじゃ、、、」
「ねえ、そこのあなた。無事なの?」
留無は少女に駆け寄り声をかける。
「ひっ、私に近寄らない方がいいよ、私は所詮人殺しなんだもの、、、」
「あなたが殺したの?この人たちを、、、」
「正確に言えば違う、私が作ったメビルの犯行だ、、、まあ、実質私が殺したようなもんだけどな、、、」
こんな少女がそんな恐ろしいメビルを作れるのか、と俺は疑問を抱いた。すると彼女は言った。
「あんたたちは最終的に私の作ったそのメビルを倒さなきゃならない。私はもう戦いたくないからあんたたちに任せるよ」
「もしかして、お前もシャドウなのか?」との秀人の質問に対し、彼女は
「ああ、そうさ。私はシャドウのカレンだ。よろしくな」
「!」
俺と秀人は顔を見合わせた。こいつがカレンだと!?あの時のような残忍さとサイコパスのような言動を併せ持つカレンがこいつだと!?俺は正直信じられなかった。俺たちが追っていたシャドウが目の前にいるなんて。顔つきも以前とはまるで別人で、俺たちは彼女がカレンと名乗るまでその正体に気づかなかった。
「まあ、私を不審に思うのはよく分かる。だがここは協力しようじゃないか。力を合わせるんだ」
「うん、別に構わないよ」と留無。
「だけどお前はどうやって協力するんだ?」と秀人。
「そのメビルの居場所を教えてやる。これで十分だろ?」とカレン。
「お前は、、、」俺は最後に確認がしたかった。
「?」
「お前は本当にカレンなのか?」
「ああ、私はカレン、お前たちの協力者で、ただのシャドウだよ」
俺は安心した。心を入れ替えたのかは分からないけど、協力してくれるのは確かだろう。
「今からそのメビルのいるであろう座標を連合軍の中枢に送る。あんたたちはそれに従い動いてくれ、いいな?」
俺たちは応えた。
「了解!」
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