第2話 4人の絆

俺は新垣登、17歳、1人のシャドウである。父さんの犠牲の甲斐もあり、俺と秀人はタイムジャンプを成功させていた。だが結局どこへ行ってもカレンの姿はなかった。

俺たちは自身がシャドウということもあり、独裁国家ファンク殲滅のための連合軍に入っていた。そしてもう1人、城々留無というシャドウも共闘してくれることとなった。

「私、城々留無!よろしくね2人とも!」

可愛い、なんだこの可愛い生き物は、、、!

「お前、、、君もシャドウなんだよね?あまり戦いが得意なようには見えないけど」と俺は不安げに言う。すると城々は

「私のことは留無って呼んでね、っていうか、あれ?もしかして私がアイドルやってるの知らなかったり、、、する、、、?」

「ああ、初めて見たよ」と俺は返す。

「うそ、、、私のこと知らない人初めて見たかも。ファンクを倒したら前よりも一層努力して知名度を上げなきゃ、、、!」

俺たちは自分たちが過去からタイムスリップして来たことは隠すことに決めていた。だから彼女にはちょっと気の毒だな、、、

俺たち3人は一通り挨拶を済ませると、早速訓練を開始した。

「ふん!はっ!」

俺は刀の素振りに精を出していた。

「ふっ、はっ!」

秀人はレーザーの力の精度と命中率を上げるため、遠くの的にレーザーを当てる練習中だ。そして留無は、

「ーーー!」

6本の触手を使い器用に、周囲にいきなり現れる的を斬りつける訓練をしていた。そして、ある日、、、

「新垣、左撃多、城々。お前たち3人には模擬訓練として公開演習をしてもらう。お互い重傷にならないように気をつけながら戦い合ってくれ」

まずは俺と秀人対留無で戦った。2対1だったので楽勝かと思われたが、留無の触手を使った多彩な攻撃は俺たちを打ち負かすのに十分だった。下2本の触手で空中を飛び、俺を実質無力化する。そして真ん中2本で秀人のレーザーをいなし、上2本で切りかかる。俺たちは完全に手も足も出なかった。

「留無ちゃん、強すぎ、、、」

秀人はヘトヘトになりながら言った。

すると藤々幹と名乗る人物が現れた。彼は連合軍を束ねるリーダーらしい。そんな人が直々に会いに来るとは、、、シャドウも期待されてるんだな。

「登くん、ちょっと提案なんだけど、、、」

「はい、なんでしょう?」

「さっきの演習を見ていて思ったんだけれど、登くんのその刀から飛ばせる斬撃を生み出すことは出来ないかな?遠距離攻撃の手段は大きな武器になると思うんだ」

なるほど、と思いそれから俺は斬撃を出す練習を開始した。

「秀人くんにも提案がある。そのレーザーは一撃は強いが強いのを続けて放つと体力の消費が激しいね?見ていれば分かるよ」

「おお、藤々さんすげー!そんなところまで見抜くなんて、、、!」

「そこでなんだが、そのレーザーを細く、且つ強くすることは出来ないかな?密度を上げるイメージで」

「なるほど、やってみます!」

「それから留無ちゃん、君の戦いっぷりは見事だった。でもまだまだ工夫が必要だね。例えば下2本の触手を背中から離し、他人につけてその人間も宙に浮かせることも出来るはずだ」

「いやぁ、幹さんのアドバイスは的確ですね!惚れ惚れしちゃいます!」

俺たちは4人で一丸となって来(きた)る日のために特訓を重ねるのだった。

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