第11話 ドクターブライト

「秀人!」

どうやら秀人の戦いも決着がついていたらしい。ヒカルは地に伏せ、秀人はそんなヒカルに優しい口調で語りかけていた。

「ヒカル、もう大丈夫だ。俺たちは新しい道を進もうぜ!」

「、、、うん!」

そんな和やかなムードを、一体のメビルはぶち壊した。

「おやおや、おかしいなぁ?こんなはずでは、、、」

「おい、ドクターブライトとやら!お前はここまでだ!観念するんだな!」

秀人はバリバリにフラグを立てていく。このままだときっと、、、

「むだ、ムダ、無駄なのだよ!どう足掻いても、結果は変わらないさ!」

ブライトは、喋りながらとは思えないほど、苛烈な攻撃を繰り出してくる。それは砂場先生による砂の操作で足元が不安定でも、全く衰えることはない。むしろ、ますます強烈になっていく。俺はそんな攻撃を刀でいなすので精一杯だった。

「くそっ、5人がかりでも押されるなんて、、、!」

ブライトは語る。

「私は観測機でとある1人の青年を見たのだ、とても強烈な意志を持つ彼をな!彼はどんな逆境にも立ち向かい、果敢に挑んだ。そして我々のようなメビルと融合し、新たな生命となったのだ!」

「何?」

ブライトは続ける。

「彼は夢半ばで、裏切り者、一体のメビルによって倒された。だが、私がその意思を継ぐ!そして新たにメビルとして生を受ける者が増えないように、メビルの研究者及びその先祖を皆殺しにするのだ!!」

「それは間違ってます!」ヒカルは機械のムチで尻尾をさばきながら反応する。

「僕の一部もメビルだから分かります。メビルはきっとそんなことは望まない、例え彼らに意思がなかったとしても、あなたが例外だとしても、そんなことは間違っている。あなたは諦めるべきだ!」

父さんもそれに続けて言う。

「メビルの研究者は、私が、私たちが、殺人という手段を使わずに可能なだけ減らしてみせる!サラリーマンなんて引退してやる!だから、お前は潔く身を引くべきだ!」

砂場先生も続ける。

「私はメビルであり、人間でもある、奇妙な存在だ。その上で言わせてもらう。お前の手段は誤りだ。お前の悩みは私たちが解決する!」

「なぜ、どうして、私に歩み寄ろうとするのだ?私はそんなこと望んじゃいない、、、」

するとブライトの攻撃の手が一瞬緩むのが分かった。俺はそんな隙をついて急接近する。

「うおお!」

俺はブライトに切りかかり、そして、、、

「ばあ!」

1人の少女が、ファンクの尻尾を切り落としていた。

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