第7話 ヒカルという少年

僕はヒカル、16歳、多分普通の高校生。周りにいる人間と少し違うのは、僕が孤児院の出身だと言うことくらいだろう。今いる孤児院は2つ目、1つ目は、、、

「うわあぁ、みんな逃げろぉぉ!」

僕がまだ10歳にも満たない頃、ある日その孤児院が何者かに襲撃された。僕は戸棚の隙間からその光景を見ていることしか出来なかった。

「やあやあ、未来のメビルの研究者さんたち!若い芽を摘みに、シャドウがやって来たよぉ!」

そんなことを言いながら、まだ幼い子供たちを、シャドウと名乗る少女は斬り殺していった。

「、、、!」

必死に声を押し殺す僕に気づいたのかどうかは分からない、ただ彼女は戸棚の奥にいる僕の方を向きながら

「お前は違うな」

と言い放ち、その場を去っていった。彼女は、、、あいつはまだ幼い子供たちを平気で、しかも楽しそうに殺した。僕は自分の無力さを呪った。そして、あいつを、シャドウを激しく憎んだ。

「力が欲しくないか?」

そんな言葉をかけられたのは今から2年前、僕が中学受験に行き詰まっていたときだった。

「喜んで」

僕は二つ返事でその申し出を了承した。そしてヒューマノイドメビルとなり、いずれ来(きた)るであろう、シャドウとの全面戦争に向けての準備を進めていた。

「僕は、、、」

シャドウにまつわる人物を殺して回っていたある日、僕はブライトに語りかけた。

「僕はあなたとは対等の立場にあるべきと考えています。僕はあなたを利用する。あなたも僕を利用する。ギブアンドテイクの関係で行きましょう」

するとブライトは悩みもせずすぐに

「ああ、もちろんだとも」

と返事をした。

そしてついに時はやって来た。シャドウを殲滅して、僕はあの時の復讐を果たす!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る