第4話 虚無の大穴

「私が思うに、表の世界のシャドウは反転虚構だと、強化部位に障害が残るのではないだろうか」

言いたいことが全部フェザーに持っていかれた。

「シャドウはいいことばかりじゃないってことだな。そう言えば、私と同じ名前の人間もいないよな、それから藤々陸も。もしかしたら無善虚構の出身なのかも知れないな」

「無善虚構?初耳だな」

「お前には話してなかったな、と言っても、私もよく知らないんだ」

私は無善虚構という名前を知った経緯を話した。

「なるほど、それについても聞き込みをする必要がありそうだな」

私たちは再びスミスの集落を訪れていた。

「無善虚構?ああ、あのヤブ医者が住んでる場所か。行くのは止めないが、正直あまりお勧めはしないぜ」

他の集落の住人も口を揃えてそう言った。だが、私たちは行かなければならない。真実を知るために、、、

スミスは無善虚構にジャンプできる場所を伝えると、後はお前たちだけで行ってきてくれと言い残し、自宅へ戻っていった。

私たちは虚無の大穴と呼ばれる場所に来ていた。

「藤々陸は私たちに何を見せたかったんだろうか」

私は不安げに言うと、フェザーは

「それが今から分かるんだな」

と期待に胸を膨らませていた。私たちは意を決してその暗闇に入り込んだ、、、!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る