第2部 第1話 反転虚構

ワールドジャンプを行ってからその爆風に巻き込まれ、どれくらい経っただろうか。私は暗い空の中で光る一つの丸の明かりを頼りに一本の道を進んでいた。長い、長い旅路だった。時々心が折れそうになるけれど、陸との約束を果たすために辛抱しなきゃ。すると突然目の前に一体のメビルが現れた。

「お前は、、、確か名はカレンといったか」

「お前こそ、私がDevil the Shadowを使っても操れなかった珍しいメビルだな?なんでこんなところに、、、まさか、、、」

「ああ、多分そのまさかだ。どうやら世界間を行き来する際の爆風に巻き込まれたのだろう。ちなみに藤々陸にトドメを刺したのも私だ」

「ああ、なるほど」

私は納得した。すると今度はそのメビルが提案をしてきた。

「私はお前の力になりたい、旅に同行させてはくれないか?」

「おおう、別に構わないよ。だが、お前をメビルと呼ぶのはなんか嫌だな、、、」

私はこのメビルに名前をつけることにした。大きな両翼、それに付属するレーザー砲、、、

「お前の名前はフェザーだ!」

「フェザー、、、か、いい名だな。気に入った」

「これからよろしくフェザー」

「ああ、よろしくカレン」

私たちは反転虚構の探検がてら、この世界の性質について語り合っていた。

「私はお前も知っているとおり、悪だ、いや、悪だった、というのが正しいかな。なんだかワールドジャンプをしてから気分がまるで違うんだ。なんでだろうな」

するとフェザーはそれに応えた。

「おそらく反転虚構とやらの性質の影響だろう。これは私の仮説だが、善は悪に、悪は善に反転する。だから表にいた頃とは気分が違うのだろう」

「なるほど、となると、この真っ暗な空もその反転虚構の影響か、、、」

表の世界では24時間明るかった。太陽が常に顔を出していた。だが、ここはとても暗い。影もほとんどなく、シャドウの能力を使うのは難しいだろう。

「藤々陸は時間も逆行すると言っていた。その性質を利用すれば過去に行くことも出来ると、、、一体どういうことなんだ、、、」

フェザーは私のこの疑問にも応えた。

「おそらく時間軸が真逆に向かっているのだろう。だからこの反転虚構で長い時間を過ごしてから、なんらかの方法で表の世界にジャンプする、これで実質的に過去へのタイムスリップが可能になる。こんな感じだろうか」

私は驚いた、かなり驚いた。こいつは表の世界にいた頃よりも遥かに冷静に物事を分析できるようになっている、、、!

「でもあくまでそれは仮説だろう?しっかりとこの世界のことを調べてから実行しよう」

私はフェザーに負けじと反論した。

そして時は流れ、私たちはついに一つの集落へとたどり着いた。

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