第18話 ワールドジャンプ

俺は不意を突かれるように、残存していたメビルにレーザーを撃たれていた。この傷なら、もう長くはもたないだろう。

「おい、藤々陸!なんで今の攻撃、避けなかったんだよ!?今のお前なら簡単に、、、」

「確かに、今の俺なら避けるのは簡単だったかもな、だが、、、」

俺は意を決して言った。

「俺はそもそも、もう長くなかった。だからかな、、、」

「藤々り、、、」

「いいか、お前に頼みがある。世界を救ってはくれないか、、、」

「は、、、?」

「この世界は3つある内の一つだ、、、この世界は表の世界、そして全てが逆になる反転虚構、それから暗闇だけが広がる無善虚構、、、反転虚構に行くこと、すなわちワールドジャンプを行うには、人間の心臓、シャドウの心臓、意思を持つ特殊なメビルのコアの3つが必要になる、、、今ならそれが揃っている、、、」

俺は最後の力を振り絞り、自分の胸に穴を開けた。

「時間が逆行する反転虚構の性質を使えば、過去に行くことも可能になる、、、お前ならそれが出来る、、、!それから無善虚構にも行くんだ。そうすれば全てが分かる、、、」

「分からない、なんで私に、、、」

カレンは戸惑っていた。だからダメ押しに、、、

「お前にしか出来ないことだ、、、!俺の最期の頼みなんだ、、、だから、、、」

「、、、分かった。どういう結果になってもあの世で恨むなよ」

カレンは息を呑んでから、俺の頼みを受けた。そして俺の意識はどこまでも深い闇の中へ落ちていった。

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