第17話 Follow the Shadow

俺の目の間には壮絶な光景が広がっていた。なんと短剣は光を集めて一本の巨大な剣になり、俺は大量のメビルをそれで両断していたのだ。ただあの老人に言われたとおりに短剣を握り、「Follow the Shadow」と唱えただけで、大量の記憶が流れ込み、全てを把握した。そして敵を残り1人になるまで殲滅した。メビルの残骸とレジスタンスの骸(むくろ)が辺りを埋め尽くす。

「やや、これは想定外だ!派手にやってくれちゃったねえ!」

残ったのは俺とカレンの2人だけだった。

「最期に派手に殺し合おうじゃないか!藤々陸!」

「お前は、、、」

「うん?」

「お前は悪くない」

俺は流れ込んだ記憶で、真実へとたどり着いていた。

「なに?なんだと?私が悪くないって!?」

明らかにカレンは動揺している。

「ああ、言ったとおりだ」

「何を言って、、、」

「何度でも言ってやるよ。お前は悪く、、、」

「うるせえぇぇ!」

カレンは俺に向かって刃を放っていた。だが、意識を乱され本調子ではない彼女の攻撃を避けるのは容易かった。

「なんで、なんでなんだよ。今のお前なら私と互角に渡り合えるはずなのに、なんで、、、」

この言葉に間違いはなかった。確かに今の俺は強い、もしかしたらカレンにも勝てるかも知れない。だが、、、

「なんで私を殺そうとしないんだよぉ」

カレンは涙目になりながらそっぽを向き、「Devil the Shadow!」と唱えた。すると突然壊れたはずの巨大なメビルが一体立ち上がった。そして俺は「Create the Shadow」と唱えた。すると今度はそれに立ち向かうように秀人の影のような真っ黒な物体が現れ、巨大なレーザーでそのメビルを一蹴していた。

「なんだ、その力は!?それなら、、、!」

カレンは俺の不意をつくように刃のついた鎖を放った。だが、俺はそれをあっさりと避ける。

「くそ、くそぉぉ」

カレンはおそらく自分の力のなさに絶望しているのだろう。だから俺は、彼女の側により、、、

バシュゥゥ!

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