第14話 stay nothing
今回の任務は潜伏する城々留無の無力化、あわよくば仲間に引き入れることだ。任務を遂行するメンバーは俺と照と数名のレジスタンス。俺はシャドウとしての力で、照たちは自身らが開発した小型のレーザー銃で、それぞれ武装した状態で施設に潜入していた。道中で中型のメビルや、親父を人質に取ったこともある意思を持つメビルをもあっさり退け、俺たちは城々の居場所にたどり着いていた。
「りっくん、、、?」
「城々、久しぶりだな。2年ぶりか?」
「りっくん、会いたかったよ〜」
城々は半泣きでこちらに飛びついてきた。なんだか思ってたのと違う展開だな。城々は背中に6本の触手のようなものを生やしていた。彼女いわく意思を持つメビルに促されるままこの施設で中型メビルと共に働き、実質的な軟禁状態だったらしい。
「留無ちゃん、君はこんなところで収まる人間じゃあない。今からでも遅くない!俺たちと一緒に、、、」
照が言い終わる前に城々はこう返した。
「そんなことは出来ない、、、!」
城々は突然敵意をむき出しにすると、俺たちに向かって襲いかかってきた。
「私はこの6本の触手を自由自在に操れる!こんな風に、、、ね!?」
すると上2本の触手が城々の背中から分離してこちらに向かって飛んできた。
「くっ、、、!」
俺はすんでのところでそれをかわした。だが、どうやらかすっていたらしく、小さな切り傷ができていた。他のメンバーもレーザー銃で対応に追われる。
「どうしてだ、城々!俺たちに戦う意味なんて、、、」
俺の言葉に、城々は背中の触手を指差し激しい口調で言い返す。
「私は化け物、こんな重荷を背負ってしまったただの化け物だよ!こんな背中じゃ、もうステージには立てない、人前にすら出られない、私に居場所なんてないの!放っておいてよ!」
城々によると、彼女は自分の強化部位である背中の触手を収納することが出来ないらしい。すると城々のファンのレジスタンスは
「そんなことない!」
と一言。照も
「君を化け物扱いする人間なんていない!そんなことするやつは俺が、俺たちがぶっ飛ばしてやる!」と励ます。
「俺もシャドウなんだ、城々。死んでしまった2人のシャドウも、化け物扱いどころか英雄扱いされてちやほやされてたよ。お前好みの反応だろ?だから、お前の居場所は絶対ある!俺が保証する!」と俺も続く。すると、渦を巻いて城々を浮かばせていた下2本と、細長いレーザーを放っていた真ん中2本、それから刃となりこちらを攻撃してきた上2本、合わせて6本の触手の勢いが明らかに弱くなっていった。
「城々、、、」
「城々じゃない」
「城々、、、?」
「留無って、、、私のことは留無って呼んでよね、りっくん!」
城々は、、、留無は吹っ切れたように俺たちの仲間になると告げ、礼を言いながら触手で俺の体を優しく包み込んだ。
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