第11話 ファンクとの戦い
「おい、ここ、ファンクがいる部屋だよな?なんでメビルが一体突っ立ってるんだ、、、?」
秀人が困惑するのも無理はない。ここにいる全員が戸惑っているだろう、なにせファンクはただの人間だろうと思っていたからだ。そりゃ、まぁ、人を殺すのは俺もやりたくないから、半殺しにしてからメビルへ命令を出すのをやめさせるつもりだった。
「ようこそ、わが根城へ」
くぐもった声でそう言いながら、目の前のメビルは深々とお辞儀をした。
「おおよそ私のことを人間だと思っていたのだろう、だがそれは間違いだ。私を見れば分かるね?私はメビル、意思を持つ例外的な特殊なメビルだ。見たことがあるかも知れないが」
俺は親父を人質に取った、喋るメビルを思い出した。
「そう、私がファンク。独裁国家ファンクの政治家及びメビル研究者を皆殺しにしてファンクと名乗る、哀れな一体のメビルだよ、、、!」
そう言うや否や、ファンクは物凄いスピードで左右に動き、こちらを翻弄してきた。早い、早すぎる。この機体でこのスピードは、今まで見てきたメビルのどれにも該当しない。だが、攻撃手段がなければこちらに分があ、、、
ガシャン!
と音が鳴ると、突然ファンクの頭部が横に開き、鋭利な牙のような物が秀人目がけて飛んできた!
「ぐっ、、、!」
「秀人!」
牙は秀人の腹部に深々と刺さっていた。血が衣服に滲み出す。
「次はお前だ!」
ファンクは矢継ぎ早に次の牙を頭部に装填すると、こちらが反撃する間もなく今度も鋭い牙を放っていた。
「がっ、、、!」
「登!」
今度は登がやられた!秀人は地に伏せ、登も息が絶え絶えになっていた。次は俺か、、、
「がぁぁ、、、!」
俺はファンクに向かって突進していた。それはあまりにも無謀で無策な攻撃だった。そして短剣を握ることも忘れ、間も無く俺もファンクの牙をもらった。
計画通りだ。
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