第9話 新たなシャドウ

「メビルは意思を持たないはず、プログラミングされたとおりに動く、それなのにあいつは言葉を話していた、それなのにあいつはまるで意思を持っていたみたいに話していた、一体、、、」

照は傍らでぶつぶつと独り言を喋っていた。

「そもそもシャドウってなんなんだ?」

俺は戦車の中で、一つの疑問を親父、スミスに投げかけた。

「シャドウっていうのは、、、」

最初に答えたのはスミスだった。

「伝承に残されている情報だが、具体的に言うと体の一部に影をまとわせて強化できる人間のことだな」

それに続くように照も独り言ををやめて話し合いに参加する。

「そして強化された部位はメビルをも打ち倒すことのできる強力な武器になるんだ」

最後に親父も続く。

「シャドウは今まで現れたことはなかった、、、んだ。だからお前はシャドウ1号だな!」

どうやら、俺は他のメンバーからも期待されているらしい。サムからは好奇の眼差しを感じ、フランクリンからは「すごいじゃない!やっぱり私の言ったとおりだったわね!」と言われた。まあ、初めて話したときも、あんなにもシャドウに対する熱は強かったしな。すると突然サイレンが鳴った。

「敵襲だー!敵襲だー!メビルとの戦闘を、、、あれは、メビル、、、じゃないな?」

どうやら異常事態らしい、メビルじゃない他の何かからの襲撃のようだ。

「俺の出番だな」

と言った俺に対して、

「俺も戦うぜ」

と照は一言。共に戦車から出た。

「おい、お前ら人間か、、、!?」

なんと戦車を襲ったのは2人の人間、しかも影を身にまとう、シャドウのようだった。

「悪い、いきなり打っちまって。」

と左腕をレーザー砲にしている青年が反省した。

「ああ、なんとなく分かるよ。この戦車、メビルの一部を使ってるしな」

と照。するともう1人の、真っ黒な刀を携えたシャドウは

「なんだと!?メビルの一部を?技術がだいぶ進んでるな!」

と意味深な発言をした。

それから俺たちは、新しくレジスタンスのメンバーとなったシャドウの新垣登(しんがきのぼる)と左撃多秀人(さげきだしゅうと)を加え、新たに領地奪還の任務を受けて次なる戦地へと向かった。強化部位はそれぞれ、登は刀、秀人は左腕である。


くそっ、なんであいつらが、、、






1


0


4



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る