夢に溺れる

君の目

お題：彼は瞳に宇宙を、彼女は瞳に深海を飼っている

彼の目は、男の割に大きめでパッチリしているし、まつ毛も長い。

中性的な目だと思うけど、普段は少し目付きが悪くてわかりにくい。

なのに、話してるときょとん、とした表情を浮かべることが多い。

その表情の時は彼の目の大きさがよくわかる。

私は彼の目が好きだ。じっと見ていると飲み込まれそうになる深い黒色の瞳。

目は口ほどに物を言う、という言葉がしっくりくるくらい、目に表情がある。

ポーカーフェイスが上手なように見せかけて、実は下手くそだ。

無意識の内に目線で語ってしまっている。そんな彼は見ていて飽きない。

彼は、普段話す時に相手の顔をしっかり見ている方だ。

だからたまに彼の顔を見ると必ずと言っていいほど目が合う。

それが恥ずかしくて、私はすぐに目を逸らしてしまうのだけど。

そんな私を見て、彼の目は楽しそうに笑っていることを知っている。

結構サディスティックな人かもしれない。

でも私のことを見ている彼の目は、優しいものだということも知っている。

些細な変化にも気付いてしまうくらい、周りの様子を見てることも。

そんな彼の目を、私は今日も見つめられない。

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彼女は目付きが悪いと言うが、見てる分にはそんなことない、パッチリした目。

少し下向きだけど長いまつ毛。奥二重も相まって、大人びて見える。

目付きが悪いと思うのは、写真写りのせいだと思う。

本人も気にしてることだからあまり触れないが、彼女はあまり写真写りがいいとは言えない。

写真だけを見れば、目付きの悪い人だと思われても仕方ない。

とはいえ、実際はそうでもない。

彼女の明るい性格に合っているようなパッチリとした目をしている。

極端に大きな目ではないが、小さいわけでもない。可愛らしい目だと思う。

だから、なんでそんなに気にするのかわからなかった。

お互いに写真に撮られるのはあまり好きじゃないし、そこまで気にする必要はないんじゃないかと思う。

彼女は表情豊かで、演技が下手だ。

それこそ、何を考えてるかだって表情を見ればすぐにわかってしまう。

なのに、彼女の目は感情の揺れ動きが極端に少ない。だから中途半端に感情が伝わってくる。

楽しそうに笑っている時も、真剣な時も、そして辛そうな時も。

目の奥にある感情は同じものに見える。無感情に、全てを諦めているような目。

その目はあまり見たくなかった。彼女に似合わないと思ってしまった。

彼女が人の顔を見ることは少ない。

特に、人と話すときは全くと言っていいほど見ようとしない。

たまに目があっても、すぐに逸らされる。

でも、逸らす時の彼女の目は、いつもと違う目をしていることを俺は知ってる。

恥ずかしいからかもしれないが、彼女らしい目になるのだ。

その目が見たくて、俺は今日も彼女の目を見つめている。