第20話

部活が終わって、八木先生のもと枇杷島と自主練が始まって数日。

前までは、部活後は枇杷島とストリートバスケかジョギングに行っていた。

その時間が、前より本格的な練習内容にかわった。

練習内容が前よりハードになったことで、

お互い体に違和感がで始めた。


「ええ、毎日?なんでだよ。」

「なんてことないだろ、ちょっと乗るだけだ。

体調管理も、プロ目指すなら当たり前にならないとなぁ。」

「ぷろ・・・」


枇杷島の扱いがうまくなったというか、彼が単純なのか。


「で、体重と体脂肪率は毎日で、身長はたまにだな。」

「そうだ、ノートに記入してけよ。後々、絶対やってよかったと思うぞ。」


そしてさらにもう1冊ノートを渡された。


「これはだな、なんでもいいんだ。」

「なんでもいい?」

「そうだ、簡単に言えば日記だ。

日頃感じたこと、バスケのことでも、人間関係でもなんでもいい。

モチベーションが、やる気が上がる日もあれば、下がる日もある。

それをとにかく毎日書くんだ。

これからずっと大人になってからもだ。

ここからお前らはスタートしてるってこと、ちゃんとプレー以外でも残すんだ。

そしたら、絶対ブレずにお前ら強くなれるはずだ。」


やけに真剣な顔をした八木先生が、

たかが中学1年にここまでしてくれるなんて思ってもみなかった。

こんな人だったんだ。


「わかった。ずっと大人になっても書き続けるよ。」

「ああ、絶対だ。」

「なあ、八木っちは書いてんの?」

「何言ってんだ、やらねーこと言わねえよ。」

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