クロウ救出作戦2
決行日はもうすぐ。
もう習慣のようになってきた念には念の逃亡準備をしよう。
まともな観光はこの世界では不可能だとなんとなく悟ったよ。
帝都に来てたった数日でこれだもん。クロウさんを助ける意志は曲げるつもりはないからこれは運命なんだろうね。
裏で神様が女性関係で操作してそうで少し怖い。
はぁ、お肉に果実と買えるだけ買い溜めしてここまでで狩った魔物の素材を売って決行に備えよう。
そして、決行の夜がやってまいりました。
前日は決起会としてヴァルさんとチビうささんと宿屋で目一杯もふもふと戯れて英気を養った。
刑務所もとい囚われの館の上空。
索敵の魔法で見下ろすが警備の人達もいるから誰がクロウさんか判別出来ない。
手当たり次第で行くしかない。
事前に調査した通気口前までご到着。これをつたって行けば調理場に入れる。
この時ばかりは自分のひ弱そうな小柄な体格が助かります。
何故か楽しそうなチビうささんが率先して先頭に。次に僕で最後がヴァルさんの順番。
しかし、緊迫していかなきゃいけない状況で大ダメージが。
お尻を突き出しまんまるな尻尾をフリフリさせながらヨチヨチと進むチビうささんの後ろ姿。
これは思わず表情筋がだらしなく緩んでしまう。
全く緊張感のない感じだけど、少し落ち着けた気がする。
通気口を抜けて調理場に人気が無いのを確認したら降り立つ。
誰もいないね。
このお屋敷は広くて大きいけど3階建てでここは1階。
クロウさんが居るとしたら寝室だと思う。
一つ気になるのがこのお家には地下が設けられていること。
まさかクロウさんの寝室が地下にあるわけ無いよ。
もう一度、索敵の魔法を使って地下を探る。
たった一室しかないけど6人ほど反応がある。
いやいや、まさかクロウさんの寝室が地下なわけが無いよ。
よし、いい加減探しますか………地下に。
行く場所を決めたならしっかりと隠密に移動しよう。状況を楽しんでいる無邪気なチビうささんがククゥーと我先に進もうとするので抱えますね。
駄目だよこそこそと行かないと。
巡回する警備さん達の包囲網を特に問題なく掻い潜りある部屋の前に立つ。
ここに地下へと繋がる道がある。
扉の前で直立していた警備さん二人にはもう夜なので眠ってもらいました。
音を立てないようにゆっくりと開けてお休みする警備さんと一緒に入室。
寝息をたてる人達に毛布をかけて辺りを見渡す。
本棚だらけだ。
地下通路の入口がある所には本棚で隠されていた。
これはあれだね、謎解きってやつだね。特定の位置に本を置くとか並べ替えるとかそういう類だね。
僕とヴァルさんの少年心が疼く。
よーし、解いてやるぞ。
腕まくりする僕等。
ゴゴゴと動き出す本棚。
そして顔を出す通路。
ボタンをタシッと押すチビうささんと目が合った。
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