クロウ救出作戦



僕達の同類で親友なクロウさん。

彼は現在、エルザさんという姫さまに捕われた状況。

監禁場所はおそらく夫婦仲良く住む為に建てられた新居。

どこに建てられたかは分からないけれど、そんな時こそ事典の登場。

検索してみれば、王城の隣に建築されているそうです。建築理由も記載されているけど可哀想な内容でした。


もし脱出を図ろうとしたらすぐにクロウさん専用の捕獲部隊を動かす為だって。

お城に常駐しているみたい。

こんなの人権を無視しているよ。異世界には異世界のルールがあるだろうけど納得出来ない。

ヴァルさんも歯痒そう。



よし、まずは下見だ。

なるべく穏便に大騒動へと発展させたくはない。

救出ってだけで大騒動になるだろうけど。


正面から突入すればクロウさんに出会う事も出来ないはず。侵入経路を探してそこから忍ばせてもらおう。

可能ならお嫁さん代表っぽいエルザさんにちゃんとクロウさんの意志を伝えて解放してほしい。

難しいと思う。大鉄球で拘束するぐらいだもん不可能に近い。


最悪、僕らは賞金首になってでも助けるんだ。

片方が不幸せなままの結婚なんて嫌だよ。



早速、お屋敷を外から拝見。

お、大きい…。


お城に匹敵する大きさ、姫さま達の本気を感じる。

警備も絶えず巡回をしていて、やっぱり正面からは厳しい。かといって、何メートルも高い屋敷を囲む壁を越えるのも大変。

登っている間に警備の人に見つかりそう…普通の人ならね。



そうだ、空から行こう。



人外気味の僕に飛べない理由はない。慌てず落ち着いてれば空も飛べるはず。なんならヴァルさんに運んで貰うことも出来る。



一旦、人気の無い場所に移動しそこから空へと舞う。

壁を越えた後、どこから入るか考えないとね。



人の視力では到底見えない高さから静かに屋敷上空まで到着。

ご都合魔法で視力を強化して入れそうな場所を探す。

んー何処か良いとこないかな。


しばらく探すことついに良い場所を発見。

多分あそこは調理場かな、通気口がある。

夜にそこから入れば大丈夫だと思う。

あとの流れはもう誰も分からない。あの神様でも分からないと思う…うん多分。



決行は明後日。

追われる可能性も考えて食料の準備をしっかりと用意しておこう。



僕はこのお屋敷のどこかで憂いているクロウさんに告げる。



待っててね、クロウさん。



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