第二の故郷、ユーリル大森林

もふもふを求めて



僕は大宴会の終わった次の日、以前から考えていたことを実行することに。


それはユーリル大森林に行くこと。

ここ最近一人で居られることが少なかった。気絶も何度かした。

心労も溜まり、僕の精神耐久値はゼロを振り切りマイナスまで行っていると思う。


出来ればこっそりと向かいたい。


でも、黙っていけば以前見てしまったララお姉ちゃんの暴走が起こるかもしれない。


どうしよう。

ゴートンさんに伝えれれば上手く行きそうだけど、ギルドにはララお姉ちゃんが。

多分、おそらく捕まってしまう。


ここは宿屋のおばさんにお願いしてみよう。ララお姉ちゃんとも面識あるし、なんとかしてくれそう。



食堂で料理を運んでいるおばさんに声をかけ説明する。

ララお姉ちゃんの暴走は誰かから聞いたのか既に知っていた。

おかげで苦笑されながらも了承してもらえた。



あとは、食糧は溜め込んでいるから武器屋で短剣をメンテナンスしてもらおう。

魔物の大群とのこともあったし、それに一言声かけて出発したいもんね。



僕の憩いの武器屋に到着。

ベルを鳴らすと、のそのそ店主さん登場。


「‥‥よう。無事でなによりだ。短剣見せてみろ。」


店主さんも心配してくれてたんだ。

なんだか、嬉しいよぉ‥。

僕の用件もちゃんと分かっていて本当に安心する。


コクっと黙って頷き短剣を渡す。


前回と同様にあらゆる角度からの確認と手入れもしてくれる。


「僕、これからユーリル大森林に行ってきます。」


「‥‥そうか。無事に帰ってこい。」


お互いに一言で終わる。本当に最高です。


短剣を受け取り、武器屋を後にする。



さて、こんな直ぐに出る形になったけど、しょうがないよ。

むしろ、よく耐えていたんだ。

ちゃんとした休息が欲しい。



行こう、うさぎさん達の待つ楽園へ。



門番さんにいつもの挨拶代わりのわしゃわしゃ撫でられて街を出る。

僕の気持ちを表すかのように空は晴天だった。



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