昨日はお楽しみでしたね



今日はギルドからの呼び出し。

多分、僕が倒れた後のことを教えてくれるっぽい。


僕は猫さん着ぐるみからいつもの冒険者スタイルに戻る。

前回みたいな失態は犯さない。

ちゃんと着替える。

ふと天井に広がっている赤いシミが気になった。こんなシミあったかな?

この宿屋も老朽化が進んでいるのかも。


食堂で朝ご飯を済まして、ギルドに出発。

今日は出店が多く感じる。

不安要素がなくなって活気が舞い戻ったのかな。いつもよりワイワイしてるもん。



ギルドに入ると冒険者さん達が一斉に僕を見る。

ひっ‥なに?なに?



すると、幾人かの冒険者さん達が寄ってきた。


「おお、無事だったか。お前のお陰で街は救われたぞ!」


「まだ子供なのに凄い魔法を使うんだな。」


「あの素早い動きどこで習ったんだ?」


僕を大の大人たちが囲み、次々と質問責めをしてくる。昨日、一緒に戦ったBクラスの冒険者さん達もいる。無事、生き残ったんだ。

あ、頭がクラクラしてきた。


「こーら、コータくんが困っているじやないですか!ほら散ってください。それとも散りますか?」


毎度お馴染み何処からともなく現れたララお姉ちゃん。

ギルド内だから居てもおかしくないけど。

冒険者さん達に拳を向けて、強く力を入れてゴキゴキと音を鳴らす。


小さな悲鳴がいくつも聞こえたかと思えば、僕の周りはララお姉ちゃんだけ。


「昨日ぶりですね、あなた‥こほんコータくん。突然倒れて驚きましたが、元気そうでなによりです。」


そういえば倒れた僕を宿屋まで担いでくれたんだよね。


「ご、ご心配をさせてすみません。あと、倒れた僕を宿屋まで送ってくれてあありがとうございます。」


「いえいえ、気にしないでください。‥‥役得ですし。」


「え?」


「いえいえ、それよりギルドマスターがお待ちしているのでご案内致します。」


「は、はい。」


そして、また右腕を掴まれてゴートンさんまで連行。


部屋の中では書類の山と葛藤しているゴートンさん。


「ギルドマスター、コータくんを連れてまいりました。」


「お、そうかすぐ行く。坊主、そこに座っててくれ。」


ララお姉ちゃんの声に気づいたゴートンさんは、いくつか書類に判子を押してからこちらに来た。


「はぁー昨日の後処理が面倒でなぁ。」


ゴートンさんは小さく愚痴をこぼす。

魔物を討伐したといっても何処かしらに被害はあったのかもしれない。



いよいよ昨日のことを知れる。


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