おかえり、非平穏な日常



キングオーガと対峙し、ちょっとだけ危ない場面もあったけど無事討伐することに成功した。

キングオーガの首は胴体の側で仲良く寄り添っている。


あとは残りの魔物達。

統率を失った魔物達が果たしてそのまま現地解散してくれるか、それとも全滅するまで戦わないといけないのか。


答えは前者でした。

王様がいなくなり、挙動不審な動きをしたと思えば蜘蛛の子を散らすように現地解散していく。

良かった、あのまま長引けば被害はもっと大きくなっていたと思う。


そういえば、ララお姉ちゃんは無事かな。


顔を向ければ走馬灯。


いつ間にか抱きしめられていた。

なぜ?困惑が僕の思考に張り巡らされる。


「無事で良かったでずぅ‥。あの糞虫反吐野郎なオーガに吹っ飛ばされるのを見たとき、心臓が止まるかとおぼいまじたよー。」


今、僕の心臓が止まりそうです。


「良かったです。無事で良かったでずぅ。」


「‥‥‥‥」


そういえば、あの時駆け寄ろうとしてたもんね。

よほど心配させてしまったんだ。

あの世で反省しよう。



そして、僕は意識を手放した。





目を開けるとそこはいつも利用している宿屋のベッドだ。

確かララお姉ちゃんに抱きしめられて意識を失ったんだ。

なんかふらふら何処かに行く僕をドロップキックで蹴り戻す神様の夢を見た。

不思議な夢だった。



お腹がクゥークゥーとうさぎさんの鳴き声を発したので、宿屋の食堂でご飯を食べよう。


下に降りると僕に気づいた宿屋のおばさんが声をかけてきた。

僕が意識のない状態でララお姉ちゃんに担ぎ込まれてきたことでひどく心配させたみたい。

僕は辿々しくも大丈夫なことを伝えた。


安堵してくれたのか僕の頭をわしゃわしゃしたら料理運びに戻っていく。


おばさん曰く、どうも寝ている間に色んな人が来ていたらしい。

ララお姉ちゃん、ゴートンさん、武器屋の主人さん、なぜかカルロスさんとカルロスさんと一緒に付いてきていた領主の娘さん一行。



後半2つは僕というよりララお姉ちゃんが目的だろう。

一応、臨時のパーティを組んでいるから僕の所に居ると思ったんだ。



食事を終えて今日はもう寝る。

おばさんが起きたら次の日にギルドに来るようにってゴートンさんから伝言を頼まれていたみたい。


戦後の後処理ってやつだね。



一度寝たとはいえ、思ったよりも疲労は溜まってる。

今日は猫さん着ぐるみを着て寝よう。





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