王は夢から覚めて地獄を見る2



僕達はただいま魔物の軍勢と激突中。


カルロスさんが率いる増援が来たので、僕とララお姉ちゃん、そしてBクラスの冒険者さん達で奥へと進むことに。



「それでどうやってこの群れの中を進むつもりですか?私が拳で道を開くにも限度がありますよ。」


ララお姉ちゃんは近接特化で魔法は身体強化ぐらいしか使わないらしい。

なので、さっき伝えたように僕が道を作る。


「え、えっととりあえず思いっきり魔法をぶつけようと思います。」


ララお姉ちゃんと他の冒険者達も僕の魔法は見ていたので何も意見することは無かった。



うーん、火魔法は森の中では使えないから、よし!


水で押し流そう。

押し流す水流の真ん中に道を作って、モーゼの奇跡みたいに海を割ったようにすればいいや。



僕は地面に手をつけて一気に魔力を込める。

真ん中に道を作るように大量の水が流れていく。

ステータスには『パンパカパーン!あなたは人外に進化しましたー!ドンドンパフパフ』と明記されていた通りの人外っぷりを発揮した。

さすがにララお姉ちゃんも呆気に取られている。


「あ、あのーい行きましょう。」


「そ、そうですね。ちょっと呆けてしまいましたが大丈夫です。ほら、みなさんも行きますよ。」


ララお姉ちゃんの掛け声と共に正気に戻っていく冒険者さん達。

もしかしたら、多分確実にやりすぎたみたい。


僕は反省しながら、ララお姉ちゃんに着いて行く。


作った道の最終地点はキングオーガの陣取っている所に微妙に届いていなかった。

でも、あと僅かの距離だから目の前の群れを退かせばいける。



集中するため水流を消して、目の前の魔物達に向けて短剣を構える。


でも、周りから声をかけられた。


「おい坊主。お前とララさんならここを一気に突破してキングオーガに行けるだろう。俺らのことは気にせずとっとと片付けてきてくれ。」


「で、でも‥」


「おいおい、俺達はこれでもBクラスだ。これぐらいならなんとか相手は出来る。それにもう少ししたら他の奴らも来れるだろう。だから行ってくれ。」


「コータくん、行きましょう。彼等も強いです。心配なら早く倒せば良いだけです。」


「わ、分かりました‥死なないで下さい。」


「おう死なん。お前らも死ぬなよ。」


僕とララお姉ちゃんはお互いに頷き、そして駆ける。


魔物達の隙間を掻い潜るようにすり抜けて行く。



そして、ついに到着。

自分の周りを数体の魔物で囲む王様発見。




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