そろそろ火蓋切りますね



魔物の大群との決戦までの2日間。

ひたすらララお姉ちゃんが、何処からともなく出没した。

『私達パーティ組んでますし』という言葉を提げて。

朝起きて食堂で食事をしていたらいつの間にか一緒に食べていたり、ギルドで簡単な依頼を探して外に向かうと冒険者モードでスタンバッてたりする。僕がギルドを出るまでずっと受付をしていたのに。


これら全てを『私達パーティ組んでますし』で片付けられる。

僕の心労がどんどん溜まっていく。


これが終わったらユーリル大森林に行くんだ。




そして、いよいよ討伐戦の日がやってきた。

今日の朝は、ララお姉ちゃんがいなかったので少しホッとした。

流石にギルドにいないとまずいもんね。

宿屋のおばさんから先程まで居たわよと伝えられた時には戦慄したけど。



そろそろギルドに行こう。

お世話になってる宿屋のおばさんに早く避難するように伝えたけど、腹を空かして帰ってくるあんたらの飯を作ると言ってここに残る事を選んだ。


これはさっさと終わらせてちゃんと帰らないと行けないな。




決意を胸にギルド到着。

ギルドにはもう殆どの冒険者が到着完了していた。僕はどうも最後らへんだったのかな。

みんな各々覚悟を決めたのか室内は重苦しい空気が流れている。


前回と同様に奥からギルドマスターwithララお姉ちゃんの登場。



「お前らよく来てくれた。今日はそれぞれにとって、とても長い一日となるだろう。だが、これが終われば領主様主催の大宴会が待っている。だから、みんなちゃんと帰ってこい。これは強制依頼だ。」


ここにいる冒険者全員が黙って頷く。



そして、それぞれが自分達の行動に移る。

僕もララお姉ちゃんに近づく。


「あ、あのーララお姉ちゃん。」


「はいはっ!コータくんが自分から来てくれるなんて、うぅ‥。」


「あ、あのー」


「ララ落ち着け。坊主が慌ててるぞ」


「そうですね。コータくんすみません。ちょっと嬉しくて。」


ララお姉ちゃんは目の端に溜まった涙を指でそっと拭う。

戦いの前で精神が不安定なのかもしれない。


「コータくん私達も行きましょう。」


「は、はい!」


「お前たち。」


ゴートンさんが僕らの足を止める。


「おそらくお前らが一番キングオーガ共に届くだろう。だが、無茶だけはしないでくれ。生きていればいくらでもやり直せるからな。」


優しく忠告してくれる。



「「ギルドマスター行ってきます(しゅ)」」


僕達は一度頷き、コークスの森へと向かった。



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