助けて、女帝が背中を預けてくる
今回の森の異変はキングオーガが率いる魔物の群れが原因。
そのため、緊急依頼が貼り出された。
冒険者さん達はその場で仲間と受けるかどうかの相談を始めた。
もうすでに何組かはギルドを出ている。
それだけ命の危険がある。仕方ないと思う。
僕はどうしよう。
Sランクの魔物とは戦ったことはまだ無い。
ステータス的には問題ないはず。
やってみようかな。
「コータくんはどうされるんですか?」
「ひっ!?」
急に背後を取らないでほしいです。
考えこんでいたので余計に怖かった。
「ぼ、僕は受けようと思います。この街の人達にはお世話になってますし‥。」
「そうですか‥。コータくんは冒険者です。ですが、まだ13歳です。無理をする必要は無いんですよ。」
「ぼ、僕はなんとかなると思います。ゆ油断もしないつもりでしゅ‥。」
大事なとこで噛んじゃった。
ララお姉ちゃんは左頬に手を当てて悩ましげな表情を浮かべる。
「コータくんの実力がかなり高いのは分かってます。それでも、妻としては心配なんです‥。そうだ!良いことを思い付きました。」
勝手に僕を妻帯者にしないで。
良いこと?おかしい僕には不吉な予感しかしない。
「私とパーティを組みましょう。私はAクラスで充分つり合いますしお互いソロですし、私の不安材料も無くなります。」
これで解決とばかりにフンスと鼻息をあげる。
え、嫌だ‥ここはやんわりと断ろう。
「あ、あのでも、僕はCクラスになったばかりです。Aクラスのララお姉ちゃんとは僕が釣り合わないんじゃ‥」
「何を言ってるんですか。Cクラスの人間が単独でBランクの魔物を一刀両断なんて出来ないです。コータくんは間違いなくBクラス以上は確定です。そもそも私より強いはずです。」
僕は人を蹴り一つで壁にめり込ませる人と同格とは思いたくない。
でも、ララお姉ちゃんから断らせると思ってんのかという強い意志を感じる。
それだけ心配してくれているんだ。
覚悟しよう。それによく会話をしているララお姉ちゃんとなら余程のことが無い限り気絶まではいかない。
「わ、分かりました。ララお姉ちゃん、あのよろしくお願いします。」
諦めて臨時パーティを組もう。
「いよっしゃあーー!」
ララお姉ちゃんは天高く拳を掲げる。
「どうぞよろしくお願いします‥‥‥末永く‥」
「はい?」
「いえいえなんでもありません。そろそろ作戦会議をすると思うので戻ります。また後でお話ししましょうね。パーティメンバーとしてね。」
ララお姉ちゃんは気分良くスキップしながらゴートンさんのところに戻る。
心なしかゴートンさんから同情的な視線を感じる。
下を向いてるから見れないけど、見たら見たでなんか負けな気がする。
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