帰ってきた女帝
次の日、ギルドで昨日溜まりに溜まった魔物達の売却をしに行く。
よく分からないけど寒気がしたので、直接ギルドの横にある売却倉庫に向かう。
いつものノルドおじさんがいる。
「よー期待の新人くん。本日は魔物の買い取りか?って、ここはそれしかねーか。」
ノルドおじさんはガハハと笑いながら近づいて来た。
「は、はい。昨日、森に行ってきたので。」
「そうかそうか、だったらここに置いてくれ。」
「そうですね。コータくんの事ですから沢山魔物を討伐されているでしょうし。」
「あ、はいはぃっ!?ララお姉ちゃん!」
「はい、あなたのララお姉ちゃんです。」
いつの間に僕の横に?
というか帰って来てたんだ。
ララお姉ちゃんは距離を詰めて来て抱きしめてきた。
あ、意識が薄く‥
「ああー、2週間以上も会えなくでざびしかったでずぅ。うおおおーん」
あれ最近教会でも似たようなことがあったようなと消えゆく意識の中思う。
「お、おい、ララ。久しぶりの再会は分かるが、坊主白くなっているぞ。」
「うおお‥え?あ、コータくん。しっかり‥しっかりして下さい!」
享年13歳 コータ・エンドゥー 売却倉庫にて死す
目を開けると、僕は横になっていた。
売却倉庫の隅に置かれたソファに寝かされていたみたいだ。
「あ、コータくん起きたんですね。良かったです。」
「え?え?」
「コータくん、何故か気絶してたんですよ。本当は私の膝の上でと思ったんですけど、乗せたらすごい小刻みに震えるのですもの。」
僕はあのまま意識を失ったらしい。
「久しぶりにコータくんに出会えてついつい理性が外れてしまいました。申し訳ございません。」
先程の衝撃を思い出しまた震える。
「い、いえ大丈夫でしゅ‥。」
「あぁ、震える姿もまた‥」
なんだろう寒気が止まらない。
「お、坊主起きたみたいだな。大丈夫か?ララやめろ、また震えてるぞ」
救世主ノルドおじさんが現れた。
「だ、大丈夫です‥」
「そうか、もし危険だと思ったら大声をあげて周りに知らせるんだぞ。ところで、魔物を出してもらえるか?」
そうだった本来の目的を思い出した。
僕は指定された場所に魔物を出していく。
「うおっ、こんなに‥。どこの森で狩ってきたんだ?」
「えっと、コークスの森です。」
「コークスの森ですか?おかしいですね、この魔物Bランクのイビルウルフですよ。あそこの魔物はDランクばかりのはずですが。」
「そ、そうなんですか‥」
「そうだなおかしい、Cランクもいやがる。おいララ、ゴートンに伝えて来い。」
「ええそうですね。ちょっと行ってきます。コータくん、ま・た・ね。」
ララお姉ちゃんはウィンクしながら出て行く。
「こりゃあ、何か森に起きてるかもしれんな。坊主、とりあえずこの量の鑑定には時間がかかるから、2日後にでもまた来てくれ。」
「は、はい。では、僕はこれで。」
売却倉庫を出て、宿屋に戻る。
んー、森に異変かぁ。
全然気づかなかった。
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