小話 ドコ?ドコニイルノォ‥5



私は、依頼改ざんのため、ギルドへ伝達しに行く方にとても懇切丁寧にやさしーくお願いすると、快く首を縦に振らせました。


「お嬢、あれはやりすぎです。男の尊厳をぶち壊してるぜ。」


「何を言ってるの、少し融通の利かないお方だったので、説得に気持ち一つ分力を入れただけですわ。」


全くディーは失礼です。


「いやいや、強制女装させてメイド達で囲んで口々に冷めた目で侮蔑の言葉を投げつける。これは、説得じゃなくて拷問の一種です。あいつ今自室に引きこもっているんだぞ。」


「もうディーったら、拷問なんて失礼ね!だったら、ちゃんと説得だってことを証明してあげましょうか?」


肩に手を置くと、サーっと青くなるディー。


「ひ、いえあれは立派な説得でした。なので、どこからか湧いてきたメイド達を近づけないでください、お願いします!」


「分かってくれて嬉しいわ、ディー。それでは、ギルドに依頼を伝えに行きましょう!」


私達は馬車に乗り込み、ギルドに突撃。



先にディーがギルドに入っていく。

いきなり領主の娘が入ってきたら混乱しますものね。


戻って来たディーを先頭について行く。

中に入ると、冒険者の方々が物珍しいそうに見ているので、鍛え上げた微笑みを撒き散らす。

分かりやすく鼻の下を伸ばしている。


今日は、件の少年はいないのかしら?


そして、目の前にもふもふそうなうさぎ耳を携えた綺麗な獣人の受付嬢が現れた。

どうやら、この方が担当してくださるみたいね。

ディーがボーッと見つめていたので、足を踏み抜いておく。



「初めまして、アリシア様。私がアリシア様の護衛依頼の担当をさせて頂くララと申します。どうぞこれからよろしくお願いいたします。」


「初めまして、ララさん。さっそくですが依頼内容などの話をしてもよろしいでしょうか?」


「はい、ではここではなんですので此方へどうぞ。」


ララさんの案内で個室に入る。

ディーは悶絶して倒れているので放置。



先ほどからこの女性からは何かを感じる。

その何かを確かめためにも2人きりでお話ししなければ…。



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